夜のサービスエリアが好きだ。
たくさんの人でにぎわっている昼のサービスエリアで食べるメロンパンやたこ焼きも美味しいけれど、夜のサービスエリアで食べるラーメンやうどんがたまらなく好きだ。人もまばらで、いくつかの店は閉まっているような時間帯に食べる、なんてことのない普通のラーメンが、格別においしく感じる。そんな時間帯にただ同じサービスエリアで休憩しているというだけで、全く知らないはずの人たちに妙な連帯感を感じてしまうのは僕だけだろうか。
2021年1月現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のために発令された緊急事態宣言により、飲食店は20時までの営業時間短縮を要請されている。
これに伴い、サービスエリアやパーキングエリアの飲食店も20時閉店となっているらしい。
夜のサービスエリアと言えば、旅行者以上に活用しているのがトラックドライバーの方々ではないだろうか。
外出自粛の影響で、ますます需要が増えている運送業。コロナ禍の物流を担っているトラックドライバーの方々がホッと一息をつく、そんな空間がなくなってしまっているのだ。
というわけで、20時頃のサービスエリアがどうなっているのかを確かめるべく、飲食店が閉まる約1時間前の19時に吹田サービスエリアにやってきました。
出入り口にはもちろん消毒用のアルコールが置かれています。この一年でもうすっかり日常の風景に溶け込むようになりましたよね。
席は向かい合わせにならないように互い違いに設置されていて、隣同士の間隔も広めになっています。
三密を避けるための対策はしっかり取られています。
せっかくなので、サービスエリアで晩御飯をいただきます。この1年間、旅行どころか高速道路を使う機会もなかったので、ものすごく久しぶりに食べるサービスエリア飯。楽しみです。
ドライバー応援セットを購入
きつねうどんに、甘辛い鳥そぼろ丼のセット。どちらもものすごく優しい味付け。
うまい……!
最近はサービスエリアによって、手の込んだメニューも増えてきましたが、なんてことのない普通のうどんが、夜のサービスエリアで食べるとものすごく染みるんですよね。
温かい食事って、本当に大切だと思います。
コンビニのパンやおにぎりでもお腹は膨れますが、やっぱり温かい料理でお腹を満たすのとはちょっと違う気がします。ただお腹が膨れるのか、お腹が満たされるのか。特に長距離運転なんかで疲れているときに味気ない食事だと、なんだか休まらない気がします。
入店時にはちらほら見かけたお客さんも、ラストオーダーの19時半が近づくにつれ、少しずつサービスエリアを離れていきます。
19時半になると食券機から「発売中」の文字が消えました。こうなると、店員さんにお願いしてもシステム上、食事をすることはできません。
そして20時になりました。
もう食堂内には誰もいません。
仕方がないことなのかもしれませんが、やはり少し寂しさを感じます。
サービスエリア自体は24時間営業で、中のコンビニなんかは20時を過ぎても開いています。
ですから、ドライバーの方々の休憩が全くできないというわけではありません。店員さんに話を伺ったところ、来店自体がコロナ禍で激減し、緊急事態宣言の発令後はさらに客足は遠のいたそうです。ただ、深夜に来られたドライバーさんが、おにぎりやおべんとうを買っていくケースは少し増えたのだとか。
もともとサービスエリアでの、特に深夜のドライバーさんの食事は大きな声で会話をしながらのものではありません。
一律での営業時間短縮ではなく、もう少しゆとりのある要請はできないものかと考えてしまいます。
一日も早く日常が戻ってくることを願いうばかりです。