『まるい食パン専門店はつるやパンの夢やったんです。』地元で65年間愛され続けるパン屋のこだわり


パン工場からこんにちは。ロカフレのジャムおじさんことダイソン後藤です。

本日はとあるパン工場に取材に来ております。

 

どこのパン工場かって?

少しヒントです。

どうでしょう?

 

まだわからない?

 

このパッケージ見覚えありません!?

 

そう!サラダパンでお馴染みの、滋賀県で65年間愛され続けているパン屋さん、「つるや」さんのパン工場です!

 

つるや2代目社長の息子、西村さんにご案内していただきました。

 

サラダパンの工程はほとんどが手作業!

たくあんを塗る作業は手作業なんですね。機械は使わないんですか?
導入してみたんですけど、手作業の方が速かったんですよね(笑)
味も、隅々まで塗られているから手の方が美味しいんです。
機械に勝ったんだ!職人さんの業ですね。
でも、袋詰めなんかは機械ですよ!

 

最初にお見せした機械!

 

ちなみにこの機械は700万くらいします。

 

驚いているのはバタコさん取材に同行していた、ライターの前田です。

 

パン屋さんって少し憧れてるんですけど、この工場の設備っていくらくらいするんですか?
正確にはわからないけど、この工場を新しく建てようと思ったら……2億くらい?
いま諦めました。

 

 

つるやパンってどんなパン屋さんなの?

 

さて、前田がパン屋さんへの転身を諦めたところで、工場から徒歩4分のところにある「つるやパン 本店」へやってきました。

 

人気商品の「サラダパン」や「サンドウィッチ」のほかに

 

様々なパンや

 

駄菓子なんかも売っている。

 

改めて西村さんから話を伺いました。

 

 

パン屋がなかった時代にあえてパン屋を作った

 

つるやさんは1951年に創業されていますが、どういった経緯だったのですか?
うちのおじいちゃんがこの店の創業者なんだけど、若い頃、戦争中に早稲田大学で法律を学んでたんですね。
戦争、法律、まさか……
ちょうど卒業だっていう年に日本が敗戦して、これまでずっと勉強してきた大日本帝国憲法が日本国憲法に変わってしまったんです。

 

せっかく早稲田大学で法律を学んでいたのに憲法そのものが変わり、これから法律家として生きていくためには、もう一度4年間の勉強をやり直さなくてはいけなくなってしまったのだそう。

これから4年間大学に通う余裕もなく、途方に暮れていたおじい様に、教授がある提案をした。それがパン屋になってみないか?というものだった。

法律家からパン屋って、相当違うような……
っていうかそもそもその時代にパン屋さんなんてあったんですか?
それがね、ほとんどなかったんですよ。アンパンで有名な「銀座木村屋」さんとか、本当にごくごく一部だけしか取り扱ってなかったそうなんです。
そんなほとんどなかったパン屋を、なぜやることになったんですか?
その教授には先見の明があったんですね。学校給食とGHQが絡んでくるんです。

 

当時まだ学校の昼食はどこも弁当だったのだが、GHQの指導によって学校給食が始まる。そして、輸出を増やしたいアメリカの意向で主食はおそらく米ではなくパンになる。ということをいち早く予測した教授はパン屋への転身を勧め、またおじい様もパン屋としてやっていく覚悟を決めて地元の滋賀に帰ってきたのだという。そして見事成功したんだからすごいですよね!

※前田は話に興味がないわけではありません。焼き立てパンに目を奪われた瞬間をとらえたものです。

 

 

学校給食からパンが消える?

 

なるほど……今でも学校給食は続けておられるのですか?
それは今でも続けさせていただいています。……ただ、今の学校給食の「ごはん」と「パン」の割合ってご存知ですか?
うーん……僕らの頃は、週2くらいで「ごはん」の日があったかな?でもほとんどパンでしたね。
実はいまの給食はほとんどがご飯なんです。パンは月に数回というレベルです。

 

「つるやパン」は学校給食だけでなく、一般のお客様への販売がメインだったため学校給食の割合がグッと減っても問題なかったそうですが、学校給食を柱に経営していたお店はいくつかつぶれてしまったらしい……

 

近頃は朝はパンというご家庭が増えてきました。あと、夜は麺類っていうところも本当に多いそうです。朝もパン、給食もパン、夜は麺では小学生がご飯を食べる機会がないから、というのも学校給食が変わった一因だそうです。

 

パンが普及したせいでパン屋がつぶれるというのは何とも難しい話ですが、学校給食に目をつけた創業者のおじい様のように、時代の流れに目を向けることが欠かせないんですね……

 

ちなみに西村さんは朝はパン派ですか?ごはん派ですか?
え?……いや、仕事の時は朝が早すぎてそもそも食べないことが多いですね。
休日とかに食べるとしたらで考えてください!あ、僕らもやりましょうか。

 

 

朝は「ごはん」だよ、っていう人~?
 

 

つるやと言えばサラダパン!!……は間違い!?

 

話は変わるんですけど、つるやさんと言えば「サラダパン」というイメージがあるのですが、誕生秘話なんかがあればぜひ教えてください!
サラダパンは、うちのおばあちゃんが思いついたパンなんです。

 

サラダパン考案者の西村智恵子さん(88)

提供:有限会社つるや

 

創業時、パンは菓子パンばかりだったのだそう。

パンは「おやつ」の代わりにはなるけれど「おにぎり」の代わりにはならない。もっと普及させるには「おにぎり」に代わるパンを考えないといけない。ということで、当時まだ日本では流通していなかったマヨネーズを、海外のレシピ本を見ながら自作したらしい。

 

マヨネーズを作る際に主に使っていた食材が「サラダ油」だったので、「サラダパン」という名前にしたそうです。
サラダ油のサラダだったんだ!!

 

最初はキャベツを挟んでいたが、キャベツは翌日になると水分が抜け、出来立てを食べたお客さんからは好評だったが、卸先の商店で食べた方からは苦情も来たのだそう。

キャベツに代わる具材を、ということで今も使用している「たくあん」が採用された。

 

でもね、当時サラダパンは全然売れなかったんです。
え?そうなんですか?
法事なんかでパンを注文されることも多かったみたいですが、「パンの種類は何でもいいけどサラダパンだけはやめてくれ。」なんて注文が来るくらいで……
そんな扱いだったんだ(笑)
ただ、一部のコアなファンの方もおられて、「これは無くさんといてくれ!」って声も少なからずあったもんですから、コアな方向きに細々とやってきたパンなんです。
でも今ではサラダパンは看板商品ですよね?熊本県民の僕でもサラダパンは知ってました!

 

ポップにも「大ヒット商品」の文字が

 

うちは元々、地域の方々に親しまれていた店で前田さんのように熊本の方にまで知っていただくような店ではなかったんです。でも10年ほど前からサラダパンをメディアで取り上げていただく機会が増えて、そこから地元以外の方にも知っていただくようになったんです。
なるほど。
ただ、サラダパンを取り上げていただく度に、地元の方からは「つるやパンと言えばサンドウィッチやろ?」という声もいただいていました。

 

僕らがイメージするサンドイッチとは少し違うサンドウィッチ。確かに「地元で一番人気商品」の文字が!

 

元々そんなに人気のなかったサラダパンばかりが取り上げられ、地元で長年愛され続けているサンドウィッチが取り上げられないというのは、地元の方からすると少し違和感があったんだ……
もちろん全商品にこだわりがありますし、サラダパンも日々改良を重ねています。ただ、やっぱり長年ずっと地元の皆さんに愛していただいているサンドウィッチには我々としても特に思い入れがあるんです。

 

ロゴの違いは時代によって変わってきたつるやパンの歴史

 

そんな思いや、東京のパン工場で工場長をしていた従兄弟が地元に帰ってきたタイミングなんかも重なって、昨年新しい店をオープンしたんです。
新しい店ですか!?
もしよろしければ実際に行ってみてください!そこで従兄弟が店長をしているので、詳しい話はそちらで聞いてみてください!

 

 

つるやパン 木之元本店
TEL:0749-82-3162
〒529-0425 滋賀県長浜市木之本町木之本1105

 

 

 

まるい食パン専門店はつるやの夢やったんです。

 

と、言うわけで!やってきました。

 

つるやパンの本店は、初めて訪れてもどこか懐かしさを感じるような外観でしたが、こちらの「まるい食パン専門店」は現代風でオシャレです。ついつい写真を撮りたくなる外観!

 

店長の西村さん(名前が同じなのは従兄弟だから!)に話を伺いました。

 

 

まるい食パンはなぜ美味しいの?

 

まるい食パン専門店ということですが、丸い食パンとはどういったものでしょうか?
サンドウィッチに使用しているパンの事ですね。

 

こちらがまるい食パン

 

昔から「サンドウィッチのパンだけでは買えへんの?」という声はいただいていたのですが、設備だったり、コストだったりの関係で食パンだけを売るのが難しかったんです。
地元の方々の長年の希望をようやく叶えることができたんですね?
はい。色々な条件がクリアできて、無事に実現することができました。

 

専門店と言うだけあって、まるい食パンを使った商品がずらり!

 

それにしても食パンが丸いって新しいですね!!普通は四角ですもんね。
いえ、実は新しくないんです。昔の食パンは丸いのが主流だったんです。

 

まだ製パンの技術が発達していなかった頃は、中心までの距離が不均等な四角いパンを作るのは難しかったらしい。丸いパンなら焦げたり中まで火が通らないといったことが起こりにくかった。

ただ、配送の際に丸いパンだと転げて形がつぶれてしまったり、スペース的にも四角い方が効率が良いため、技術が確立してくると、段々四角の食パンが主流になっていったのだそう。

 

そうだったんですね!でも、つるやさんではどうして丸いパンのままなんですか?
技術的にはもちろん四角くすることは簡単なのですが、丸い方が簡単に火が通る分、焼き時間が短くすむんですよ。やっぱり食感が全然違うんですよね。

 

「食べてみてください。」と言っていただいたので、いただきます。

 

え、なにこれ!めちゃめちゃ美味しい!!

 

僕はパンの耳ってあんまり好きじゃないんですけど、この「まるい食パン」は耳までめっちゃ柔らかい!
食感はモチモチしてて、すっごく甘みがあります。
この店には「まるい食パン」を使った商品がたくさんありますが、何もつけたり、のせたりしなくてもいい!!このままで十分すぎるほど味がしっかりしてる!!

 

すごく美味しいです!!
ありがとうございます。この食感は丸いからこそ出せる食感なんです。あと、焼き立てにもこだわっています。店内で焼いてお出ししているので、この店と本店以外では買えません。

 

まるい食パンを使用した「サンドウィッチ」は滋賀県内のスーパーでも購入できます!耳もそのまま使用されていますが、普通のパンとの違いに驚くと思うのでぜひ一度ご賞味ください。

 

 

来てくれる方への感謝。つるやの思い。

 

そういえばこの店にはサラダパンやサンドウィッチを置いてませんね。
そうですね。やはり専門店ですので、まるい食パンにこだわっています。「サラダパンは置いてないのか?」って声もオープン当初はいただいていました。「それやったらスーパー行くわ!」という方もおられますけど、「試しにまるい食パン買ってみよかな。」という方がリピーターになっていただけたりもしています。
なるほど……
そうやって少しずつ、つるやのまるい食パンを広げていきたいので、「サラダパン置いてたらもうちょっと売上も上がったんかな。」と考えることもありましたが、専門店にこだわって良かったと思っています。

 

まるい食パン専門店のHPに書かれている言葉

 

うちは、本店もそうなんですけど、奥まった場所にあるんですね。
確かに。歩いてて偶然見つかる場所ではないかもしれません。
そうなんです。ということは、つるやに来ていただいてる方たちは、ほとんどが「つるやパンに行こう。」と思ってきてくださってる方々やと思うんです。
じゃなきゃこの道ってあまり通りませんもんね。
昔は地元の方々が、今では滋賀県以外からも「つるや」を目的に多くの方が来てくださっています。その方たちに少しでも満足していただきたい。その気持ちはずっとありますね。

 

 

店内のいたるところにまるい食パンが!

 

たとえその日焼き上げたパンが完売しても営業時間中に店は閉めない。わざわざうちに買いに来てくれたお客さんに、パンをお出しできないならせめて直接謝るくらいはしたい。

お客さんに本当に感謝し、大切にしている「つるや」さん。それだけに地元の方々から望まれていた、まるい食パン専門店を「夢」と呼びます。毎朝4時に起きてお客さんのためにパンを焼き、少しでも美味しくするために改良を続ける……。そんな姿こそが、戦後から今まで、時代が変わろうとも人々に愛され続けている所以ではないでしょうか?

 

丸い食パン専門店
TEL:0749-62-5926
〒526-0056 滋賀県長浜市朝日町15-31

 

 

 

このパンを使いたい!!

 

実は今度、ロカフレで琵琶湖釣り大会をするのですが、その時に釣り上げた魚を揚げて、フィレオフィッシュのようなものを作ろうと思っているんです。
はい。
そのパンに、この「まるい食パン」を使わせていただけないでしょうか?

いいですよ!!

 

ありがとうございます!!!!

 

というわけで、めちゃめちゃ美味しい、つるやさんの「まるい食パン」を10本(55人前)も、ロカフレ釣り大会のため用意してくださることになりました!

このパンは先着順で、無くなり次第ふつうの食パンになります。

 

ロカフレ釣り大会の詳細はこちらから