『動物園は僕の夢だから……』アルバイト代に動物をもらっていた少年は今も少年の心のままだった。


ヘビに頬ずりされながら失礼します。ロカフレ編集部のダイソン後藤です。

 

今日は滋賀県のショッピングセンター「ピエリ守山」の中にある「めっちゃさわれる動物園」に来ています!

めっちゃさわれる動物園はその名の通り、動物たちにめっちゃさわれます。

 

犬や猫はもちろん

 

インコやヒヨコ

 

カメレオンにヘビ、ミーアキャットにアルパカまで、こんなに触っていいの?ってくらい触れます。
ってかアルパカ可愛いな、おい

 

もうね、動物好きには楽園!ほんとたまらない空間です。

 

200円でエサもあげられます。

 

みんな喜んで食べてくれる。

食べてる姿が可愛すぎてついつい追加でエサを買っちゃいます。使い過ぎに注意!

 

こっちは触れないんだけど、ワニやハシビロコウもすごい迫力!

 

最近流行りのサーバルキャットもいました!

 

 

とまぁ、こんな感じで、ショッピングモールの中にあって1000円で入れるとはとても思えないクオリティなんですよ!

一度たまたまピエリ守山に寄った際に訪れて、すっかりファンになってしまったのですが、もう一度行こうと思ってネットで検索してみたら……

 

……あれ?あんなに楽しかったのにな。堀井園長ってそんなひどい人なの?

ネットの情報はあてにならない物も多いので、これが正しいかはわかりません。

でも本当に動物たちがひどい目にあってるなら、ここは動物好きとしてガツンと言ってやらないと!!

 

 

 

というわけで、めっちゃさわれる動物園の園長、堀井園長に会ってきました。

 

堀井園長、単刀直入にお聞きします。動物にひどい扱いをしてるって本当ですか?
まさか!僕は動物たちを愛してますよ。
なるほど。

 

まぁそう言うでしょう。いきなり核心に迫れるとは思っていません。
しかしどんなに言葉を取り繕っても、話を続けていれば言葉の端々から思いは伝わってくるものです。
堀井園長が本当に動物を愛しているのか、もう少しインタビューを続けたいと思います。

 

 

では、動物園を開業するまでの経緯を教えてください。
まずね、僕はもう小さい頃から犬でも猫でも亀でもカエルでも生き物は何でも大好きな少年だったんですよ。ただ、一番決定的だったのは小5で始めたアルバイトかな。
小5からアルバイトですか!?
うん。働いたお給料としてもらったのはお金じゃなくて動物だったんだけどね。

 

当時から滋賀県に住んでいた堀井少年は、小学生の時にお母さんに京都のペットショップに連れて行ってもらったのだそう。そのペットショップはチンパンジーやサイチョウ(角の生えたジャングルに生息する鳥)など、普通のペットショップではまず置いていない珍しい動物をたくさん置いていて、その店の虜になった堀井少年は、京都に行くたびに必ずその店に行って、何時間も動物を眺めていたらしい。

 

何度も何度も通っているうちに、その店のおじさんから「ぼく、そんなに動物好きやったらうちでちょっと掃除のお手伝いしてみるか?」って言われて、もう喜んで掃除したね。
本当に動物が好きだったんですね。
そうそう。そしたら帰るときに、「働いてくれたお礼になんでも好きな動物持って帰り!」って言ってもらってねその時初めてもらって帰ったのがウグイスでしたね。それがもう嬉しくて嬉しくて……
小5でアルバイトってそういうことだったんですね。
結局それを9年続けたのかな。
9年!?

 

小学5年生から浪人時代までの9年間、毎週末や、ゴールデンウィークなどの長期休暇に京都まで通ってはその店で働き、毎回動物やエサなどをもらって帰ったらしい。9年間お金は1円ももらわなかったんだって!

 

欲しいものがたくさんあったらお金は便利だけど、僕は動物以外に何もいらなかったから、お金をもらう理由がなかったんだよね。

 

そう言って笑う堀井園長。
……あれ?この人マジでめちゃめちゃ動物好きなおじさんじゃない?

 

その後も動物関係の大学に進学するために一浪したが、結局進学は諦めて、9年間アルバイトしていたペットショップから紹介してもらった動物貿易商(動物を外国から全国の動物園やサファリパークに運ぶ仕事)で働くことになったらしい。

 

動物関係の大学に行きたかったんやけど頭も足らんくてね。その動物貿易商の仕事でも初任給はお金やなくてビーバーでした(笑)
ほんとすごいですね(笑)じゃあ家の中は動物だらけだったんじゃないですか?
もういっぱいおったよ。そういう仕事してると、動物園でもういらなくなった、足の悪いのとか目の無いのとか、話聞くんです。僕からしたら同じ動物でみんな可愛いから、それやったらって言って全部もろてましたね。

 

「動物の値打ちが好きなわけやなくて、生き物はみな愛おしいじゃないですか。」と当たり前のように話す堀井園長。当時は産業廃棄物の回収、パッカー車に乗って空き缶回収なんかのアルバイトも掛け持ちしていたが、そのお金もほとんど動物の為に使っていたのだそう。

 

自分のためにお金使おうとは思わなかったんですか?
それが一番自分の為やと思ってたからね。動物がいっぱいいてくれたらにぎやかで楽しいでしょ?
なるほど……

 

そうして動物を増やしていると、まだ連絡を取り続けていた京都のペットショップのおじさんから「移動式動物園」の存在を知ったらしい。

 

そんなのがあるんか、って思ってね。そのころから動物園は僕の夢なんですよ。

 

 

この時にはもうすでに最初に抱いていた疑惑なんて全くなくなっていました。

今でも、けがや病気で、言葉は悪いですがあえて言うと、『商品』としては使い物にならない動物も全員大切に飼っているそうです。もちろんお金をかけて病院にも連れていきます。

「ブリーダーから殺処分されるかもしれないと聞くと、どんな状態でもついつい引き取るから、スタッフから怒られちゃう。」と笑う堀井園長は、まさしくアルバイトをして動物をもらっていたあの少年のままです。

 

ピエリ守山のショッピングモール内で動物園を開き、夢を一つ叶えた堀井園長、それでもまだまだ夢の途中だという。

 

次は青空の下で動物園を開きたいんだよ!!滋賀県にはまだ動物園がないから。もう広い土地も借金して買っちゃったんだけど、なかなか許可が下りないんだよね。

 

堀井園長と話していると、なんだか自分の目が濁ってしまっているように感じます。キラッキラしてるんだもん!!

 

 

 

実際にお話ししてみて、堀井園長が動物を愛しておられることは間違いないと断言できます。これは本当に断言できる。

「堀井園長は動物への愛がない!」

「動物を商品としてひどい扱いをしている。」

そんなことはありません。けがをした動物はもちろんですが、人間と触れ合うことでストレスを感じやすい動物も、動物園には出しておられません。そして、そんな動物も愛を持って最期まで大切に育てておられます。

 

この子は人懐っこくて、この子はちょっと今疲れてるな……と説明してくださっている堀井園長

 

 

動物を飼いすぎなんじゃない?ちゃんと管理できてるの?それで動物は本当に幸せなの?という声が出るのはまぁちょっとわかる。

愛があれば何をしてもいいのか?

と言われると、確かに愛があれば何をしてもいいわけではないと思います。

 

例えば、めっちゃさわれる動物園のインコたちは「クリッピング」と呼ばれる羽切りが施されています。

スタッフの方にお伺いすると、「クリッピングは人間で言う散髪のようなもの。鳥たちが犬などのスペースに飛んで行ってしまうと、この子たちが危ないので、命を守るためにも必要なことです。」とおっしゃっていました。

後から調べてみると、実際にクリッピングは昔からインコを飼っている方がされる手法(クリッピングが良いか悪いかは賛否があります。)で、スタッフさんの話も理解はできますし、愛があるからされているんだろうとは思いますが、それでも「かわいそうだな。」と思ってしまいました。

 

クリッピングの良し悪しは置いていても、改善すべきところはあるのだと思います。ただ、それはどこの動物園、あるいはペットショップ、もっと言うと、動物と関わる人たちすべてに言えることだと思います。

 

 

でも、動物は話せないじゃないですか。何をしてあげるのが動物にとって幸せなのかって本当の所はわかりません。

だったら、どれだけ愛を持って接しているかが一番大切なんじゃないかと思います。

堀井園長がいくとみんな寄ってくる。

 

少なくとも、日頃ひどい接し方をしてたらこんなに懐かないと思うんですよね。

どの動物も目ヤニが一切ついてないんです。
動物のストレスをできるだけ抑えるために三交代制をとっていたり、そもそも適性の無い子は出さない。
床に糞尿もほとんどないし、ニオイだって、そりゃ動物園ですから多少はありますが、むしろ青空の下でやっておられる動物園よりも気になりませんでした。

 

あちこち自由に走り回る動物もたくさん

 

何より、ここの動物たちは人間に対してほとんど警戒心を持っていません。少なくとも『人間=怖い』という認識はないのでしょう。

 

 

 

これは完全な私事なのですが、最近、僕の彼女が飼っていた犬が肺がんで死んでしまいました。本当に愛されて、みんなに見守られながら亡くなりました。

 

彼は家の中で人間と一緒に過ごしていましたが、不幸だったとはとても思えません。

 

犬を飼っている方はわかると思いますが、ペットではなく家族でした。彼は家族に愛されていたし、愛していました。僕はほんの数年しか一緒に過ごしていませんが、それくらいはわかります。きっと幸せだったと思います。

 

自然の中で生きていないから不幸せだなんて、とても思えないのです。家族と一緒に過ごす人生が不幸せだなんて、とても思えないのです。

 

 

 

たとえば大家族で、狭い家に大勢で住んでいたとしましょう。
子どもたちは確かに不便に思うこともあるかも知れないし、もっと広い家に住みたいと思うかも知れません。だからと言ってそれは不幸なのでしょうか?

『ご飯を与えない。』、『病気になっても病院に連れていかない。』これは外から何とかするべきでしょう。しかし、多少貧乏でも家族に囲まれ、親から愛を注がれていたとしたら、それは他人がとやかく言うことでしょうか?

 

そして堀井園長は、家族が人より多いだけなのではないでしょうか。

 

 

ついこんな質問をしてしまいました。「いろいろ言われて腹は立たないんですか?」と。彼はこう言います。「少し悲しいけどね。でもそっちに時間や労力を使うくらいなら僕は動物たちに使ってやりたい。」

 

動物好きの少年は、今も少年の心のまま夢に向かって走っています。