ライターの中馬(@chuuuuuman)です。
突然ですが、あの築地市場が豊洲に移転するって話はご存知ですか?
簡単にすると、以下のような流れで移転するのかしないのか、モメにモメているそうです。
- 東京オリンピック開催と老朽化のため築地市場を豊洲へ移動させる計画が起きる(1998年)
- 移転予定の豊洲から有害物質が発生、対処を開始(2001年)
- 当時の民主党が築地移転が強引だと主張、いったん保留に(2009年)
- でも立て直しより安いし早いと移転を認める方向に(2009年)
- その間で汚染対策は完了したと発表された・・・けど(2014年)
- 再検査したらまだまだ汚染されていると発覚(2016年)
- 調査の結果を待ちつつ、模索中(2017年)
こんな感じで紆余曲折あり、メディア上では「国vs築地の民」のように取り上げらています。
・・・が、個人的には伝統も知名度もある築地だからこそ、本当になくなる状態が想像できません。
築地で働く人たちや築地に遊びにきている人たちはどう思っているんでしょうか?
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真夜中、閑散とした築地でひとり話しかけ続けるなんて悲しすぎます。なんとしても16時前に終わらせる・・・!
ということで、築地にいる100人の生の声を(超・高速で)あつめてきました!
※結果だけ見たい方は こちらの【まとめ】からご覧ください。
築地問題の本音が聞きたい!100人の生の声をあつめてみた
まず、築地は卸業者の人たちしか入れない部分や販売店の魚がし横丁が一緒になった「場内」と、その場内のまわりを商店街のようにお店がたちならんでいる「場外」にわかれています。ちなみに、グルメ雑誌に載っていたり食べ歩きができるのは、場内の魚がし横丁と築地場外です。
今回は場外か場内かは問わず、まんべんなく聞き込みをしてきました!
場内と場外で移転するかどうかは違う
よ~し、どんどん聞いていきます!
いきなり、多くのメディアでは断言されていない情報を築地の方から聞くことができました!
全てを残すか移転させるか 0か100かみたいに思われがちなこの件ですが、2017年現在では場内が豊洲へ移転、場外は築地に残るという案になっているそうです。
後日、中央区役所に問い合わせて確認をしたところ築地場内は東京都の管轄、場外はその周りに立ち並んでいる個人商店という位置づけのため対応がわかれるとのことでした。
移転しない「場外」で働く人は
さらに、移転の予定はない場外で働く人たちに聞き込みを続けました。
場外は移転しないことになっているものの、やはり方針が二転三転するのは不安。
どういう方向で話が進んでいるのか、しっかり開示してほしいという話もきくことができました。
移転する築地の「場内」で働く人は
逆に、築地の場内で働く人たちはどういう風に思っているのでしょうか?
ここだけの話、編集長がインタビューをしたいと水産事業部の方に連絡した際は「皆忙しくて答えてもらえないかも」と言われていたんです。たしかに、築地は職人の仕事場ですし観光の人たちだってせっかく遊びにきているわけですもんね。
100人答えていただくのにどれだけ難航するか・・・そんな風に思っていましたが、とても優しく答えてくれました!
築地に初めてきたカップル
続いて、遊びにきている人にもインタビューしていきます!
次に応えてくれたのはこちらのカップル。旅行中のご飯目的で初めて築地に来たそうです。(優しすぎる、お幸せに!)
初・築地の印象を聞いてみると「どこも美味しそうだけど、何がどこにあるか分からない!」とのことでした。
たしかに、場外ならまだしも築地市場って何がどこにあるかわかりにくい。早朝ほどではありませんが、大型トラックも行きかっているし気を抜けばぶつかります。
築地が観光できるようになった過程
そもそも、築地は公設の卸売市場で観光用の名所ではなくむしろ立ち入り禁止区域と指定されていました。
ですが、築地市場の生鮮品やグルメが噂になったこと、築地市場の売上が減少し始めたことから入場規制が解除。ガイドブックなども販売され、国内外とわず色々な人が訪れる場所になりました。
だからか、道の整備などは観光地らしくないです。写真は複数ある入り口の1つ、海幸橋門(かいこうばしもん)ですが・・・ハッキリはしていないですね。
※後ほど「まとめ」にて築地を楽しくまわれる入り口をご紹介します!
築地にちょこちょこ来ているというお姉さん
ただ、築地の古きよき雰囲気は何回か遊びにきている人にとっては魅力の1つだそう。
ちょこちょこ来ているというお姉さんは、築地の魅力を「ごちゃっとしていて、色んなものがあるところ」と答えてくれました。
たしかに、築地にはついつい寄り道したくなるような雑多な感じもある。いつまでも網羅できないお店の多さは、何度でも足を運びたくなりますね。
移転最大の原因、築地の深刻な老朽化
ただ、築地の「老朽化」はかなり深刻。移転する最大の理由ともいえます。
そもそも築地市場の開設は1935年。建物にも寿命はあるものですし、移転しない場外からも心配の声があったように地震の可能性なども考えると不安が残ります。
さらに、構造自体も今の大型トラックをメインにした建築ではないため列車の搬入スペースが幅をとっています。
築地は、今や東京の名・観光地。東京都としては「東京オリンピックまでに築地を移転し安全で綺麗なものにしたい」、そんな事情もあるようです。
築地を改修するのではなく移転する理由
ちなみに、改修でなく移転することになっているのは金銭的な都合が原因です。
そもそも、築地の再設備工事は移転の話がでるより前(1991年)に開始されていました。でも、想定していたより費用がかさんでしまい、工期も予定より遅れ気味に。
そのため東京都は一端、再設備を中断。すでに約400億円もの費用をかけたことをふまえると、もう移転した方が効率的でしょって話になったそうです。
築地移転の反対意見は?
ところが、築地の移転は以下のような理由で反対がされました。
- 道路的に搬入経路が確保しづらいかも
- 隣接予定の千客万来(ショッピングモール的なもの)が邪魔で輸送時間が長くなりがち
- 豊洲の土壌が汚染されている
この中でも1番に問題視されているのが「豊洲の土壌が汚染されている」という話。
移転予定の豊洲は、以前は東京ガスの製造工場が建てられていました。そのせいなのか、土地の一部からはべンゼンという発がん性物質が環境基準値の43,000倍も検出されました。
東京都は、対処法として全ての敷地で高さ4.5mの盛り土を行うと発表。ですが、実際には一部の盛り土が行われておらず、空洞になっていて謎の地下水がたまっている状態でした。
そのため盛り土用とされていた費用はどこにいったのか、2016年9月10日の記者会見で話題に。小池百合子都知事は空洞にした理由や費用は健全に使われたのかどうかを含め、豊洲の再調査を開始しました。
その後ちょこちょこ記者会見で情報の追加はあるものの、確実な結果は都が発足した専門家チームで検証中の様子です。
※2017年現在
数年前の築地を知るというミセスは
やればやるほど色んな問題が見つかってしまう築地の移転問題。ただ、こちらのミセス達の話にはとても説得力がありました。
確かに、良いか悪いかって人や時間や状況で変化していくものですよね。
安全面も衛生面も金銭的な問題も、確かにどれも大切です。でも、この築地問題で最優先すべきは築地で生活をする人たちなのかも。
色んな情報を集めていたものの、なんだか根本的なことを思いだせた気がしました。
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その後もとにかく聞いて、聞いて、聞きまくりました!
ほとんどの方が顔出しNGながらも「後ろ姿ならOK」「モザイク付きならOK」とご協力してくださった方々もいらっしゃいました!全く知名度のない「ロカフレ」にも関わらず、本当にありがとうございました。