めんそーれ。無人島の岩場の影から完全なミスマッチを起こして失礼します。
ローカルのフレームを切り取ってお伝えする「ロカフレ」で、体を張ることに特化したライターの「ぼり」です。本職は板前です。
割とおかしな企画タイトルですが、沖縄に発つ1ヶ月前より、この話は始まっていました。
〜遡ること1ヶ月前〜
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とまあ、タイトル見た通りなんですけど、この時点で騙されてました。
そして出来上がったのがこの記事。
「それを記事にしたら何かおもしろい」ってところにまさかここまで深い意味が込められていたことには当時は全く気がつきませんでした。
ドッキリを受けた人間が、ドッキリを受けた様を記事化させる時点で、この「ロカフレ」というメディアがどれだけ頭の狂った愉快なメディアなのかはご理解頂けるかと思います。
ぼくがどの部分で騙されていたのか。その辺りも「ぼり」の目線に立ち、やさしい気持ちで読んで頂けたら幸いです。
それではいってみましょ〜!!
目次
沖縄到着&編集長と合流
4月前半のお昼過ぎ、ぼくは個人のお仕事で出張調理を行っているので、いつもの調理道具セットと共に沖縄へ。
10年ぶり(修学旅行以来)の沖縄に表情が完全にウキウキしてますね、かわいらしいですね。
でも、搭乗前の荷物検査ですでに空港で止められてました。
やや逆ギレで押し切った形ではありましたが、客観的にみて空港スタッフさんの違和感は正しかったと思います。
だってこれ、近所のスーパーからもらってきた発泡スチロールだから。
みなさんの頑丈なキャリーバックに紛れてガムテープで止められた発泡スチロールが貨物ローラーに乗って運ばれてくる違和感は秀逸でした。
沖縄初日「現地レポ(観光)」
お迎えにきたのは編集長兼カメラマンの「やましゅー」。四六時中へらへらしてる、割と腹の立つやつです。
現地のレポという仕事がなんなのかはよくわかっていなかったのですが、とりあえず楽しいことを伝える(お金を使って)ってことなので、贅沢を尽くし、10年以上ぶりの沖縄観光兼修学旅行の気分を満喫する1日目が始まります。
記念撮影して
※国際通りは毎週日曜日12時~18時の間、交通規制で道の真ん中を歩くことができます。周りの方の邪魔にならないように撮影しました。
完全にハメ外して
自分の名前入れたTシャツ作って
飲んで
食べて
幸せ過ぎて死ねる、コレ。
途中でやましゅーがTwitterにて苦言を漏らしてました。黙ってろ
ダメだこのひと旅行だと思ってる…
一応仕事で呼んだんだけどな… pic.twitter.com/2G6Np0rtYA— やましゅー (@yamashu_locafra) 2017年4月9日
ぼりのすーぱーザックリ沖縄レポ(国際通り編)☆
あ、これだけ調子に乗っておいてなんですが、遊びじゃなくてレポのお仕事だったので、お世話になったお店の紹介をしますね。
Tシャツ作ったお店
沖縄本島でプリントTシャツを作ることができるのはこの1店舗だけらしいです。
5分もしないうちにできたので、海人Tシャツとかが見飽きた人はここで作ってみるのもいいと思います。
ソーキソバ食ったお店
ソーキそば、タコライスが500円!!!店主のおじさんが写真映えする沖縄感をお持ちでした。
でもちょっと怖かったので写真は撮ってません。
その後もいちいち小言がうるさかったので、編集長やましゅーにも飲ませ、共犯にしたところで1日目終了。
1日目の感想。「ロカフレは神」
無人島上陸当日
翌朝、いよいよ無人島に向かうとなったところで気候の異変に気づきます。
風つっよ。天気わっる。
自給自足の舞台、沖縄県「南浮原島」
ぼくが3日間を過ごしたのは沖縄本島から船で20分ほどの場所にある「南浮原島」。面積0.07km²、周囲1.31km、標高4m(Wikipedia調べ)の小さな小さな無人島です。
googleマップより
曇り空にテンションを1割ほど持っていかれつつ、期待に胸を膨らませて向かう無人島。
それはきっとバカンスで、少年の頃に抱いていた夢の島。
まさかこんな少年時代の「夢」を叶える機会を頂けることになるとは、言葉通り夢にも思っていませんでした。
この時点でもまだ「ロカフレ」のライターをさせて頂いていることに感謝してました。
相変わらず編集長やましゅーもへらへらしています。
船で無人島に向かおう☆
沖縄本島から無人島へは船で。
沖縄のイメージから寸分の狂いもない現地人、「松本さん」が送迎してくださいました。
「支払いが追いつかなくなって海外に飛ぶ前の板前」みたいですが、気にせず荷物を積み込み乗船、いざ無人島へ。
予定ではこーゆー船で優雅にクルージング的な感じだったんですけど、
実際はこんな感じでした。(ディスってはいません)
船に揺られること20分、1秒も休むことなく水しぶきを浴び続けます。
(やっぱもう帰りたい)
そんな気持ちを胸に、辿り着きました。南浮原島。
無人島に上陸しよう☆
辿り着いたのはだいたい14時頃だったのですが、引き潮マックスの時間帯。
これ以上は進めないとのことで、ここから陸までは全ての荷物を抱えて徒歩。
松本さんのおっしゃっていた通り、びっちゃびちゃになりました。先人の言うことはちゃんと聞くべきですね。
ここまでで松本さんのお仕事は終了。別れを惜しみます。
寂しい気持ちを抑えつつも人生初の無人島に心が踊り、ちょっと周りを見渡していたら、ぐんぐん潮が満ちてきて、荷運びの往復をしている間に荷物が流されました。
みるみるうちに地面が海水に侵食されていきます。恐怖。
普段は潮の満ち引きなんか気にもしませんが、無人島では自然界の恐ろしさをさっそく肌で感じることになります。
この地面が
ものの1時間ほどでこうなります。
これ全く同じ位置から撮影してますからね?200mくらいあるのに・・・
荷物を運びきり、上陸の時点でずぶ濡れになって使い物にならなくなった割烹着を脱ぎ捨てます。
板前としての写真はここまで。今後は国際通りで作ったTシャツもしくは高校生のときの体操服で失礼します。
本当の無人島
ここで現地で合流予定だった今回の企画発起人であるロカフレ運営者に連絡。
なかなか電話がつながりません。(南浮原島は電波がある)
と、いうか人の気配が全くない。
(無人島って、今俺がいる時点で「無人島」とは呼べないよな、だって俺いまここにいるし。ってことは「無人島に上陸」って日本語としておかしくない?)とかボーっと考えていました。
まあ、無人島なんでそもそも人影がないのが普通なんですけど、現地で合流するはずだった運営部が上陸した痕跡みたいなものが一切なかったんですよね。
鬼のように電話をかける編集長兼カメラマンのやましゅーが焦り始めます。
ここでようやく運営部と電話が繋がります。
強固なガムテープで固められたスケッチブック。今後の再利用をする気はないようです。
開封。
理解が追い付かない僕
一旦「紙芝居で生計をたてているおじさん」の格好で写真を撮り
絶望。
ここにきてようやくこの企画がただのドッキリだったことを知らされます。
ここで、スケッチブックに収められたひととおりの画像をGIF動画にてお楽しみください。
いろいろと葛藤し、やましゅーとの現状確認のやりとりの末、完全に心が折れて寝る私氏。
ここから2時間ほどの睡眠に入ります。
その間に見かねたやましゅーが海水でびちゃびちゃになったテントを設営してくれました。
グッジョブ。
一時間くらいぼーとしてわかった
僕が頑張らねば pic.twitter.com/8iFBWPPunt— やましゅー (@yamashu_locafra) 2017年4月10日
晩御飯をみんなに決めてもらおう☆
辺りが薄暗くなってきたころにようやく目を覚ましたぼく。スケッチブックに書いてあった「お題」に取り組みます。
この鍵付きのレターパックの中に食材が用意されていて、人間のクズ運営部が用意したお題をこなせば鍵番号を教えるとのことです。
正直大人二人の腕力とその辺に落ちている石なんかを使えばぶち破れそうですが、ライターとしての理性がかろうじて残っていたのでこのお題に乗ってやろうと思います。
それでは改めましてコチラをご覧ください。
だいたい結果は想像できますね。
全力の放棄(*「社畜」とは運営部のあだ名)
ふざけやがって。
ぼりの食事アンケートの結果☆
気を取り直して行なった実際のアンケートと結果はコチラです。
【決めてください】
急にこのツイート見た方はなんのこっちゃとは思うと思うのですが、現在無人島に放り出されたぼくが、この4つの中から1食だけ食べていいとされているのですが、どれを食べるかはツイッターアンケートで決めなければいけません。
心優しい回答、よろしくお願い致します。— 板前ぼりさん (@borilog) 2017年4月10日
でしょうね。
100名以上の暇な方々がアンケートに答えてくださいました。
まあ正直、石垣牛とかは食べてみたかったんですけど、この際ほんとなんでもよかったです。
既に死ぬほどお腹減ってたので。
そんなこんなでアンケートの結果をお伝えし、鍵の番号を教えてもらいました。
ただ、袋にナンバーとかが書いてなかったので、中身のわからない状態ではどれが「おはぎ」なのかもわかりません。
教えられた鍵のナンバーは「000」。とりあえず順番に試していったところ、全ての袋がこのナンバーで開きました。
「アンケートには一体何の意味があったのか。」この疑問を抱えつつ全ての鍵を取り払って出て来たのがコチラ。
全ての袋に一つずつどら焼きが入ってただけ。
なにがここまで運営部(社畜)の根性を歪ませたのかはわかりませんが、無人島にいる板前に仕掛ける罠としては残酷すぎます。調理することすらできないんですから。
ここで飲食業界のことわざをひとつ。
「板前殺すにゃ包丁いらず」
板前を潰したければ仕事(料理)をさせなければいいという恐ろしいことわざなのですが、まさにこの状態ですね。みなさん覚えておいてください。
ちなみにこの時の運営部のツイートがこちら
それにしても二人して無人島楽しそうだな。今日くらいから嵐くるみたいやし、生きて帰ってこいよ。笑
— 働いている人 in 社畜 (@nieetooo) 2017年4月10日
この他人事感、とても血の通った人間とは思えない。
運営部はきっと幼少期、近所に住んでる板前にひどいことをされたんだと思います。そうじゃないとこんな仕打ちは人間の心を持ち合わせていたらできないはずです。
・・・ただ、どら焼きはおいしかった。
この辺りでようやく、「ロカフレ」のライターであることを後悔しはじめました。
他のライターは「浅草で人力車のってみた☆」とか「京都で舞妓さんと遊んでみた☆」なのに、なぜぼくだけ「沖縄の無人島でドッキリ自給自足してみた☆」なのか。
そんな想いを心に秘めて1日目終了。街灯がないので、異常に辺りが暗くなるのが早い。
やましゅーが設営してくれた、海水でびしょ濡れのテントに入ります。
無人島1日目感想。「不安がすごい」
無人島生活2日目
びしょ濡れのままのテントと寝袋に包まれて寝た気持ち悪さで満足な睡眠を得られないまま朝を迎えます。
ようやくぼくたちの持っている「生きるための道具」を確認。
ぼりの持ち物
- お米(運営部からの指示)
- オリオンビール3パック(嗜好品)
- 卵(てんぷら用)
- パン粉(フライ用)
- 塩(味付け用)
- 油(写真外)
- カセットコンロ
- てんぷら鍋
- 包丁、まな板、料理箸
- だしまき卵用の鉄製フライパン
材料さえあれば、ある程度なんでもできるようには仕上げてきました。
……材料がないので何もできませんが。
やましゅーの持ち物
釣竿
素潜りセット
はんごう
ライト
無人島についてから徐々に険悪な雰囲気になっていきながらも、「何か食料を確保しないと、単純に辛い」という事実に直面した為、力を合わせて自給自足スタート。
家を作ろう☆
昨晩の大空の下でのテント宿泊で気づいたのが、無人島のテントは「恐怖がいっぱい」ということ。
そもそも砂浜にテントを立てているので、安定感がないことと、抜群に風通しのいい立地に加えて潮風が吹き付けてくるので、夜中じゅうテントが風に晒されて変形していました。
見渡せば両端が見えてしまうほどの小さな無人島探索がはじまります。
小さな丘を駆け上がったところにちょっとした空間を発見
先住民の生きた証拠を見つけてしまった。
おそらくトイレ。人の排泄したであろう痕跡のある場所に住居を構えるのは嫌だったのでこの場所は却下。
座礁した船のようなものも見つけたので、「これを岩場にたてかけられれば屋根になる」と思いつくも微々たるも動かず断念。
しばらく色々見渡した上で、疲弊して座り込み、
家づくり放棄。
火起こしにチャレンジ☆
次にチャレンジしたのは火起こし。
流木を拾い
カセットコンロに設置。
種火が起こったらコンロを引き抜き、熱くなってきたので上着も脱ぎ、
「暗雲の中で炎を操る中ボス」みたいになりました。
カセットコンロがあればだいたいなんでもできる pic.twitter.com/y5bBLrYYxN
— 板前ぼりさん (@borilog) 2017年4月11日
釣りにチャレンジしよう☆
火も起こせたところで、ようやく食材調達をスタート。
うましうまし pic.twitter.com/F1Uch28IOJ
— 働いている人 in 社畜 (@nieetooo) 2017年4月11日
人を無人島に連れてきておいて一人優雅なティータイムを楽しんでいるクソ野郎に「板前が無人島でフルコース」なんて無茶なお題を振られているので、なんらかの食材を手に入れなければまりません。
2人の素人が手探りで「釣り」を開始。
小一時間で12個あった仕掛けが全て1投で根がかり(岩とかにひっかかってとれなくなること)して、釣りでの食料確保は夢に終わりました。
また、記事に書けるような面白いことも一切ありませんでした。不甲斐ない。
無人島で食糧がない状態でもヘラヘラさを失わないやましゅーにほんの少しだけイラっと癒され、続いてモリに挑戦。彼の笑顔を守るため、より一層の使命感を宿します。
モリにチャレンジしよう☆
やましゅーが用意してくれたウェットスーツ代わりの衣類のサイズがMだったので、着用するだけでも呼吸が苦しかったです。
体のラインがしっかりと映し出されます。
手にもっているモリを強く握りしめ、海に潜ります。
魚が、いない。
本当にいない。
こうやって写真をみるとなんだか「THE沖縄☆」「ダイビング」って感じに見えるのかもしれませんが、上から見たらこんな感じ。
浅瀬が半端じゃない距離まで広がっているので、波が来たら打ち上げられるほどの浅瀬での狩りでした。
3時間ほど潜ったにもかかわらず、基本的にはコインゲームで言う1点と3点のやつしか発見できず。
※画像はイメージです。
結果の出せないモリでの狩りを諦めかけた頃、ようやくヒット。
30歳の独身男性が我を忘れるほど喜んでいる姿をご覧ください。
フグです。
立て続けにウニもゲット
それに続いてやましゅーが、その辺の岩場に歩いていたカニを3匹ほど捕まえてきました。
合計4時間ほどの狩りの末、フグ1匹、ウニ1匹、カニ3匹をゲット。
寒さに凍えながらメニューを考案します。
無人島で食べられる植物を探そう☆
無人島での「食べられそうな植物探し」が始まります。
岩場に咲く花
葉っぱのなんとも言えない色が危険を漂わせます。
岩と同化した色で明らかに不健康さをただよわせる花
これまで生きてきて見た中では最大級の果肉植物
無人島で発見した中で一番怪しい果実
しかも表面に棘がある上に取れません。
食材調達完了!いよいよ板前の自給自足フルコース☆
さて、いよいよ板前であるぼくが呼ばれた意味が出てきました。
今回持参した道具をフルに使っての調理にとりかかります。
まずは油の加熱とはんごうでの炊飯。
空き時間を利用して卵焼きも。
ながして
焼いて
どや顔。
一切板前の風格を感じさせない髪型と服装で、だしまきたまごの価値を下げてしまいそうで申し訳ありませんが、たまごは無人島上陸前にコンビニで買った「琉球の塩」で味付けして作らせていただきました。
1品目「琉球塩のだしまきたまご」
食レポ要員としてのやましゅーもさすがにテンションが上がり気味。
無人島自給自足フルコースの完成
少しずつ料理を仕上げていき、現実逃避の為にお酒も飲みながら料理を作ってたら、気づいたころには周りも真っ暗に。時間をかけ、ようやく完成しました。
やましゅーもヘラヘラが増しています。なんだかかわいいですね。
和食において器はとても大切なものなのでしょうが、申し訳ない程度の紙皿に盛り付け。
満面の笑みが
一瞬消えます。
怒りとヘラヘラが混じった顔。「おこヘラ」ですかね。
皆さんはこの写真を見てもやましゅーが普段通りヘラヘラしているだけに見えるかもしれませんが、無人島で二人っきりの3日間を過ごした僕にはわかります。これは「おこへラ」です。目が笑っていない。
焚き火で暖を取りましょう。
ちょうど良い燃料がありました。
再利用を放棄された紙をきちんと再利用。運営部と違って僕はエコな人間です。
この笑顔から僕の彼への気持ちを察してください。