みなさん、こんにちは。さいとうとらみと申します。
自己紹介を少し、新卒で入社した工具メーカーの広報担当として7年勤務の後、日曜大工が大好きな夫と結婚しました。
日々、夫婦で住まいのDIYに励んでいます。
この連載では、工具のあれこれを紹介しながら、みなさまの暮らしに役立つ情報をご紹介します。
記念すべき第二回目のテーマは、「ドライバーでねじが緩められない時、試してみたい3つの方法」です!
みなさんは、DIYをする中でねじが硬くて回せなくなってしまったことはありますか? 錆び付いて固着してしまっていたり、強く締めすぎてしまったり、色んな要因が考えられますが、一筋縄ではいかずとても厄介ですよね。
今日はそんなシーンに役立つ、代表的な3つの解決方法を紹介させていただきます。
目次
六角ボルスターを使って、ねじにかける回す力を大きくする
ねじにかかる力というのは、力点にかかる力の大きさと、支点から力点までの距離で算出されています。
実はドライバーという工具は、力点と支点が同軸上にあるので、大きな力をかけるのが難しい形状なのです。
ですので、より大きな力をかけたい時には、支点と力点の距離を長くすればいいのです。
そんな時の重宝するのが、ボルスターと呼ばれるドライバーの根本についている六角形の部位です。
そこに、レンチを引っ掛けて力をかけることによって、ねじにかける力を大きくすることができます。
前回の記事でドライバーを使う上で「押す力」と「回す力」の比率がとても大切だというお話をしました。
ドライバーを使って大きな力で回そうとすると、より大きな力で「押す」必要があります。ただ、実際にやってみると分かるのですが、押しながら回すのは結構難易度が高いのです。
それが、ボルスターにレンチをかけると、より小さな力で回すことができるので、なめないように、少しずつジワジワとドライバーを回すことが可能になります!
難しそうに見えますが、DIYに慣れていない人にこそおすすめしたい方法です。
インパクトドライバーで叩いて回す
2つ目のおすすめしたい方法は、ドライバーの座金(お尻の部分)を叩くという方法です。
ドライバーの座金をコンコンと叩くと、その衝撃で、ねじが噛み込んでいる部分にわずかな隙間ができて、ゆるむことがあります。
その際は、「インパクトドライバー」という、座金を叩くと先端が回転する専用設計のものをお薦めしています。
専用設計ではない、通常のドライバーでも座金をハンマーで叩くことはできますが、多くのメーカー公式では推奨されていません。
何故なら、ドライバーの先端が硬く、強い衝撃を与えれば割れてしまう危険性があるからです。
実際のプロの現場では、そのように使用されている場合も多いですが、より安全に工具を使用いただきたいので、私もおすすめはしません。
いずれもリスクや緊急性など、色んな要素を考えた上で、使用してみてくださいね。
ねじプライヤーを使って外側から回す
3つ目のおすすめしたい方法は、「ねじプライヤー」という固着したねじを回すことに特化した工具を使う方法です。
十字ねじ(プラスドライバーで回すねじ)は、六角ボルトと比較すると、回す際の工具との接触面積が小さいです。その為、力を入れて回そうとすると滑ったり、ねじ山がつぶれてしまうことがあります。
そんな時は、ねじプライヤーを使ってがっつりと掴んで回すのがおすすめです。プライヤーの先端には沢山の凹凸が設けられていて、ねじの頭をしっかりと掴み、回すことができます。
ねじ山を使う必要がないので、ねじ山が壊れてしまったねじを回すのにも有効です。
専用のプライヤーを購入する必要がありますが、押しながら回す必要がなく、使用する難易度が低いので、DIYに慣れていない人にもおすすめの方法です。
まとめ:工具には適材適所がある
いかがだったでしょうか?
今回はシーンに応じた3つの方法をご紹介しました。
固着したねじを緩める為の方法は色々とありますが、それぞれにメリットデメリットがあります。作業する状況や条件を理解した上で、安全なDIYライフを楽しんでくださいね。