僕は今、とても後悔している(熊本県 五木村 バンジージャンプ)

僕は今、とても後悔している。

 

 

なぜ僕は今、高さ66mの場所に立たされているのだろうか。確かに僕はジャンプ力に定評のある前田だ。

しかし、こういうことではない。

あの時までは本当に楽しかったんだ。

 

 

 

 

そう、あの時までは…..

 

 

白滝公園

ひゃっほーーーーーーーー!!!

 

 

 

僕は熊本県 五木村(いつきむら)に来ていた。

なぜこの日、五木村に遊びに来ていたかというと、都会の景色に飽き飽きしてきたからだ。

 

僕がはしゃいでいた場所は白滝公園である。

 

白滝公園は石灰岩でできた断崖の高さ70m、幅200mにもおよぶ断崖からその名がつけけられたという。

 

その崖と森と川に囲まれた環境に僕は思わすテンションが上がっていた。

 

 

テンションが上がりすぎて神社をどうしたいのか分からないポーズで写真も撮ったし、

白滝公園内の阿蘇神社

 

 

 

テンションが上がりすぎて川にも浸かった

 

 

はあー気持ちよかった!!!!

川めっちゃたのしい!!!!

 

 

白滝公園では水遊びだけではなく、釣りも楽しめる。

夏に川で遊ぶならうってつけの場所だ。

 

 

 

でも…

 

 

僕は今、とても後悔している。

確かに川で遊ぶのが楽しいとは言った。

しかし、川の水面に向かって落ちていく遊びは僕の知っている遊びではない

ちなみにこの日の取材で僕を撮影してくれていた編集長兼カメラマンは「真下に広がる川辺川は水質が10年連続で日本一」ということをこの場で教えてくれたが、

このジャンプ台に立って水質について考える余裕がどこにあると思ったのだろうか。

 

 

 

僕は今、とても後悔している。

数十分前の僕は、

そもそもなんでこんな場所に連れられてきてしまったんだろう。

僕がいるのは五木バンジーで橋からバンジージャンプする西日本唯一の「ブリッジバンジー」スポットだ。

水面からの高さは66m。

五木バンジーを運営する「バンジージャパン」は五木のほかに

  • 竜神バンジー(茨城)
  • 猿ヶ京バンジー(群馬)
  • みなかみバンジー(群馬)
  • 富士バンジー(静岡)
  • 開運バンジー(奈良)

を運営しており、最も高いのは竜神バンジーの100mである。

五木バンジーはこれ次ぐ高さであるが、全国のバンジーを飛んできたスタッフは五木バンジーを飛んで、

口々に「五木が一番怖い」と言うらしい。聞くところによると五木バンジーが最も怖い要因はその高さのリアリティなんだそうだ。

 

なぜ、五木村でバンジーをやろうとしたのかというのも気になっていたので聞いてみると、

バンジージャパンがバンジーを運営したい場所は大まかにいうと、高くて景色がきれいな場所で五木村がぴったり。

一方の五木村も村から若いパワーが不足しており、バンジーなら若い人を呼び込めるのではないかという狙いでこれを受け入れたという。

 

 

 

 

 

 

話を聞きながら僕は器具を取り付けられていた。このときからすでに後悔していた。

 

ここに来るまでの間に、バンジージャンプする予定の橋を見てしまったからである。

ジャンプ台に向かう時にはその後悔はどんどん増していく。

 

 

 

 

下を見てしまったからだ。

 

 

 

 

 

 

あの楽しかった時間を返してほしい。

 

ちなみに先ほどのこの画像をよく覚えておいてほしい。

とあることが最後の最後で小さな悲劇を生むことになる。

 

ジャンプ台でさらに器具をつけられていく。

器具をつけ終えた外国人スタッフが器具の背中側を掴んで「イキマショ!」と言った。

僕は絶望感で目の前が真っ暗になった。

真っ暗と言えば、数時間前に見たあの光景は本当にきれいだった。

 

 

 

 

 

 

鍾乳洞

白滝公園には長さ30mの鍾乳洞がある。

洞窟内は真っ暗でこのようになにも見えない。

このように、動画を開いた方には無駄な11秒間を過ごしていただけたと思う。

しかし、洞窟の外にあるこれに100円入れると、20分間洞窟内がライトアップされるのだ。

 

洞窟に入りなおした時は、テンションが上がった。

 

足のすぐ下で水がゴォーという音を立てて流れているのは不思議な気分だ。

僕はライトアップされた鍾乳洞の美しさに息をのんだ。

 

 

 

 

 

僕は今、とても後悔している。

下には美しい川は流れているが、それどころではない。

ついに崖っぷちに立たされた。

さらにスタッフに「モウチョットマエ、モウチョットマエ」と言われ、前に出る。

 

「足をあと少し前に出して重心を前に傾ければ、僕は66mの高さから落ちてしまう…」

そう考えると足の間からぶら下がった細いロープから異常な重さを感じる。

垂れ下がったロープに働く重力が、僕を川へ引きずりこもうとしているようだった。

 

本当にちょっとでも前に倒れたら….

 

後ろではスタッフが僕を励ましてくれているが、

ダイジョウブダヨ!ガンバッテ!

っと肩を叩いてくれるがその振動すらも怖い。

 

 

どんなに励まされても真っ逆さまに落ちていく自分を想像してしまうと怖い。

昼に食べたものが全部出ないかも心配だ。

そういえば、お昼ご飯おいしかったなあ…..

 

 

 

 

ロッジ山小屋

僕は数時間前、お昼ご飯を食べに『ロッジ山小屋』に来ていた。

 

美味しそうな料理を目の前にしてニヤニヤが止まらなかった。

 

 

 

早速かぶりついたヤマメも美味しかったが一番おいしかったのが…

 

シカの竜田揚げだ。

 

   

食べると、幸せが口いっぱいに広がった。

 

 

料理をだしてくれた女将さんは五木の子守唄の継承者でもあるそうだ。

 

その昔五木の暮らしは貧しく、娘たちは幼いころから他の家の子守に出ていき、家計を支えていた。

その娘たちが故郷への想いを口ずさんで歌い継がれたものが五木の子守唄だ。

 

女将さんは子守唄の伝承者として唄のサービスも行っているとのことだったので、もし希望があれば事前に相談を。

 

 

 

ちなみに宿泊できるロッジにも案内してもらったが、お部屋はこんな感じになっていた。

 

窓からの眺めがよい。秋は紅葉で木々が真っ赤に染まるらしい。

こんな風に眺めが良いところにずっといたい。そう思った。

 

 

 

 

 

 

僕は今、とても後悔している。

眺めが良すぎるのでもうずっとここに立っていたくない。そろそろ飛ぼう。

 

手を広げると66mの高さに吹く強い風を体で感じる。

怖いがもう飛ぶしかない。僕は決意を固めた。

スタッフのカウントダウンが始まる。そしていよいよ….

僕の要望はただ一つ「もう少しゆっくりにして欲しい。」それだけだ。

それにしても数時間前は本当にゆっくり過ごしていた。

 

 

 

 

ヒストリアテラス五木谷

数時間前、僕はヒストリアテラス五木谷に来ていた。

今年の4/21にオープンしたばかりの施設である。国の川辺川ダム計画中止に伴って村の生活再建のため、県と国の補助を受けて億円で建てられた。

中の展示室では五木谷の人々の生活や山と川とのかかわりを知ることが出来る。

 

遺跡から発掘された縄文土器

 

 

ダム水没予定地で採取された昆虫

 

 

民具

このようなものが展示されていた。

 

 

 

僕は建築を学んでいたが、演出の仕方が上手いと思った。

よくあるパネルやモノを並べただけの展示ではでなく、しっかりとその空間をつかって展示されている。

この様な展示の仕方で最後まで飽きずに楽しめた。

 

 

中でもこの展示は良かった。

 

五木の子守唄をソファに寝ながら聴くことが出来る。

この取材の前日、僕がほとんど寝ていなかったのもあってか、本当にちょっと寝た。

 

それにしても、平日の昼間から子守唄を聞きながら寝れるのはとても素晴らしいことだと思った。

 

 

 

 

僕は今、とても後悔している。

今度こそ本当に飛ぶのだ。

眠気はとっくに醒めている。

 

 

 

カウントダウンが始まる。

5・・・・・

4・・・・・

3・・・・・

2・・・・・

「(あっ!!やっぱりこわ…..)」

1・・・・・

あっ….

 

 

僕は今、とても後悔している。

なぜ僕は重心を前に傾けたのだろうか。

完全に後戻りできない。過去に戻りたい。

数時間前は子供のころに戻ったかのようにワイワイはしゃいでいたのに…..

 

 

いつきむらこどもかん

展示室から出てきた僕にスタッフの方が案内してくれたのが

 

いつきむらこどもかんだ。ヒストリアテラス五木谷内にある。

子供と大人が一緒に遊べるスペースだ。

 

壁や床には木のブロックが使われており、思わず裸足になりたくなった。

 

 

中には茶室や木のボールプール、お店屋さんなどがある楽しい場所で、子供がきたら何時間もここで遊んでくれそうだなと思った。

 

 

僕は今、とても後悔している。

子供のころに戻っていた数時間前のことを考えている間にも、僕の体は地球に引き付けられて、とうとうジャンプ台から足が離れてしまっているのだ。

重力に身を任せて落ちていくしかない。

マネキンに入れ替わったかのように硬直しているが、これはまぎれもなく僕である。

 

 

 

落ちてから吊り上げられていくときも恐怖で固まっていた。

 

 

落ちた恐怖もあるが、それよりも吊り上げられるときに見える景色に恐怖していたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンプ台までたどり着いて笑顔で記念撮影したつもりだったが、うまく笑えてない。

これが僕の初バンジーだ。

 

 

いやーほんっと怖かった….もう二度とこんな思いはいやだ…..

でも、一生に一度はやっておいた方が良いと思うから、勇気出して飛べてよかったし、取材も無事こうやって締めれて良かった!!!

ということでみなさん!この夏は熊本県五木村に行きましょう!さようなら!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は今、とても後悔している。

なぜ、またここに立っているのか。そしてなぜ後ろ向きなのか。

 

 

カメラマン兼編集長に聞いてみると「一応前と後ろ向きの両バージョン撮りたいから」とのことだ。

人を「一応」で2回も66mから飛ばせてはいけない。

 

 

後ろ向きでここに立つのは想像以上に怖い。

実は僕は、高いところから下を見ることよりも、高いところで空を見上げるのが苦手なのだ。

高いところから空を見上げると平衡感覚を失って、そのままふらっと落ちてしまいそうな妙な感覚がある。

 

 

一方、スタッフはすごく楽しそうだ。

 

 

こんなに追い込まれたのは久々だ。

 

僕は今、とても後悔している。

KINAI CAFE

そういえばヒストリアテラス五木谷には『KINAI CAFE』というカフェがあった。

コーヒーもお菓子も美味しかった。

そこで僕はこのように語っていた。

 

僕は今、とても後悔している。

そんなことを言っておきながらめちゃくちゃ追い込まれているのだ。

カメラに向かってポーズとか、笑顔とか、怖いなら怖いなりにリアクションするとかそういう余裕すらない。

冷や汗がわき腹を伝っていくのが分かった。

 

僕は今、とても後悔している。

五右衛門風呂体験

せっかくあったかいお風呂に入って汗を流したのに.また汗をかいてしまった。

 

 

ヒストリアテラス五木谷にはなんと五右衛門風呂体験がある。だれでも無料で五右衛門風呂に入れるのだ。

 

タオルを持ってきていなかったが、小屋の中に用意してあったのでよかった。

 

そして着替えて風呂に入った。

 

取材で風呂に入る。こういうのを最高と呼ぶのではないだろうか。そう感じた。

 

 

 

僕は今、とても後悔している。

取材でバンジーを2回飛ばせる編集長兼カメラマン。こういう人間を最低と呼ぶのではないだろうか。

ただ、もう飛ぶしかない。

 

僕は飛んだ。

 

 

僕も思わず声が漏れる。動画をご覧いただけた方には、僕に起こったちょっとした悲劇もお分かりになったであろう。

 

 

しかし、そうして、引き上げられた僕は

 

 

後悔していたことを後悔していた。

 

 

バンジージャンプを一回飛んだ時に僕は『これは「二度とやりたくないけど、人生で一度はやっておいてよかったこと」の一つだ』と考えていた。

しかし、二度とやりたくないことは二度やってみないと分からないものだ。

二度目のジャンプの途中、恐怖が楽しいに変わっていた。

また、このスリルを味わいたいなとすら思った。

せっかくこんなにスリリングで楽しいことをやるのに、ジャンプ台に立って後悔ばかりしていた僕はもったいないことをしていたのだ。

僕は今、後悔していたことを後悔している。

 

五木村の旅まとめ

白滝公園

↓車で約30分

ロッジ山小屋

ロッジ山小屋HP

TEL:0966-37-2836

↓車で約10分

ヒストリアテラス五木谷

↓車で約3分

五木村バンジー(バンジージャパン)

五木村バンジー公式HP

TEL:0278-72-8133(8:30-17:30)

 

 

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