みなさん、こんにちは。歯科系メーカーに勤務しているきじ田とらみです。
本日は巷でよく耳にする、「歯周病」について徹底解説していきます。
そもそも歯周病って、どんな病気かご存知ですか?
歯周病を専門とする学会では、このように定義されています。
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
※日本臨床歯周病学会ホームページより
実は歯というのは、歯茎に根っこが生えているわけではなくて、その土台には「歯槽骨」という、土台の骨によって支えられています。その骨が溶けてしまうと聞くと、なんだかおっかないですよね。
さらに、それだけでなくさまざまな疾患を引き起こす、本当に恐ろしい病気なのです。今日はその原因と恐怖、そして対策について徹底解説していきます。
まだ若いし大丈夫! 毎日ちゃんとハミガキをしているから大丈夫!
そんな風に思っている方にこそ、是非読んでいただきたいです。
目次
歯周病の原因とは
実は、お口の中にはおよそ400~700種類の細菌が住んでいます。
これらは普段あまり悪いことをしませんが、ブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくつつきます。これを歯垢(プラーク)と言い、粘着性が強くうがいをした程度では落とすことができません。
この歯垢の中には沢山の細菌が住んでいて、虫歯や歯周病をひき起こします。
やがては歯を支えている骨を溶かしていき、結果的に歯を失う原因となります。
歯垢は取り除かなければ硬くなり、歯石と言われる物質に変化し歯の表面に強固に付着します。これはブラッシングだけでは取り除くことができません。
この歯石の中や周囲に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けていきます。
そして、歯周病は40代の80%以上が患っている疾患。
そう聞くととても身近に感じませんか?
それでは、次からは歯周病を患うことで生じるデメリットについてお話します。
きっと読み進めるうちに、
「もういい!分かった!どうすればいいの?」と思うこと間違いなし。
そんな方は最後に対策をまとめたので、下までスクロールしてくださいね。
歯周病の恐怖1:歯が抜ける
代表的な症状として、重症化すると歯が抜けます。
初めに解説した通り、歯の根っこは歯槽骨という骨に埋まっているのですが、歯周病が悪化すると根っこの骨が体内に吸収されてしまうのです。
そうなると、グラグラするだけでなく、身体が歯を異物として判断してしまい、どんどん体の外に排出しようとする作用が働くのです。
また、そこまでは行かなくても、土台が崩れてしまうことによって、歯並びに影響を及ぼすこともあります。
歯周病の恐怖2:毒素が全身の臓器に影響を及ぼす
歯周病は高血圧、糖尿病、アルツハイマーなどの疾患と関連が深い病気です。
20代30代であれば、気にならないかもしれませんが、40代以降になれば歯周病だけでなくさまざまな疾患を持つ確率が高まります。
そうなった時でも、症状が悪化するの予防するという意味でも、歯周病予防とても重要です。
歯周病の恐怖3:異臭がする
歯周病は独特の生臭い臭いがあります。
所謂、魚や野菜が腐ったような臭いです。
冒頭で歯茎が炎症を起こすと述べましたが、歯と歯茎の間の歯周ポケットが深くなると、細菌が発生しやすくなります。
その細菌と細菌が増加すると食べかすを分解して、匂いの原因となる「揮発性硫黄化合物(VSC)」作り出してしまうのです。
100年の恋も覚めますし、きっと仕事でも影響を及ぼすかもしれません。
歯周病の恐怖4:歯茎が下がる
歯茎が下がると、歯が全体的に長く見えて老けた印象になります。
また一度後退してしまった歯肉は自然に戻ることはなく、治療後も元の位置に戻ることはありません。
見た目のデメリットだけでなく、知覚過敏を発症しやすくなったり、虫歯のリスクも高まります。
歯周病の恐怖5:身近な人にうつる
歯周病は感染症なのであなたの身近な人にうつる可能性があります。
歯周病の原因菌は唾液を介してうつることから、食べ物の噛み与え以外に、キスや箸・スプーンの共用などにより、歯周病菌を相手にうつしてしまう恐れがあります。特に注意しましょう。
歯周病の恐怖6:治療が辛くて長い
歯周病になってしまった場合、歯周基本治療というものを行います。
重症化するほど、治療期間も長くなります。さらに痛みが伴うので、治療中にリタイヤしてしまう患者さんも少なくないのです。
歯科衛生士さんの雑誌を見ると歯周病治療に関して、こんな特集が組まれています。
「患者さんが治療を中断しない声かけ」や「心境に応じた治療計画」など、完治させる為にとても苦労されているのが伝わってきますね。
どんなものかといいますと、歯科行われるクリーニングでは、歯の表面や境目についた歯垢や歯石を除去しますが、歯周基本治療の場合は歯茎の中に器具を入れて歯石を取り除きます。
強力にこびりついてしまっていることが多く、あまりの痛みに麻酔を要する治療もあります。
取りきれない場合は、歯茎を切開して取り除くこともあります。
そうなると、外科治療の域です。
半年に一回、定期検診に通うのと、長年ほったらかしにして歯周病治療を行うのでは、医療費に大きな差があります。
メンテナンスを行うことは、身体だけでなく、お財布にもとても優しい行動なのです。
そんな歯周病を予防する為に必要な5つのこと
代表的な歯周病予防は以下の5点です。
既に出来ているかどうか、チェックしてみてください。
- 日々のブラッシングを丁寧に行う
- 補助的に洗口液を活用する
- 甘いものや酸っぱいものを口に入れる時間を短くする
- 定期的に歯科医院に通う
- 歯の接触癖や歯ぎしりがないかを確認する
- タバコを吸わない
特に3番目の「歯の接触癖や歯ぎしり」は、歯科医院でも指導が漏れやすい項目ですので、是非ご自身でも注意深く確認してみてくださいね。
対策の詳細に関しては、また後日解説していきます!
次回も読んでいただけると嬉しいです。