突然の波打ち際から失礼します。
「トマトのこと、知りたくないですか?」
いや、わかります。
「この人、自分に酔い過ぎててホントに気持ち悪い」
率直にそう感じた気持ちは痛いほどわかります。
でも、
トマトのこと、知りたくないですか?
申し遅れました。元板前の”ロカフレ”ライターぼりです。
トマトのことだけを語らせて頂きたく、この場を借りて参上しました。
今回、農家さんと野菜直売所のかたにお伺いしたトマトの選び方や知識を活かし、自宅での簡単な「トマトのマリネ」の作り方までを紹介します。
目次
野菜直売所”ごじゃ箱”でアレコレ聞いてきた
今回、取材に協力してくださったのは、千葉県いすみ市で地域おこし協力隊として活動している椎葉(ばーしー)さん。
「旅する料理人」としても活動していて、野菜をふんだんに使った料理のイベントを国内外至る所で開催しています。
普段からお肉は一切食べず、口にする野菜や調味料全てにめちゃくちゃ気をつかい、本気で健全な食生活を送っている方です。
ぼりさん:ばーしーさん、今日はよろしくお願いします!まず先に、お腹減ったんで向いのマ◯ク行ってダブチ食いませんか?
ばーしー:あ、いえ、大丈夫です。
ぼりさん:あ、じゃあ吉野…
ばーしー:大丈夫です、ほんと。
割とホントにイヤそうな顔されました。
気をとりなおして今回、ばーしーさんに紹介して頂いたのは千葉県いすみ市にある「ごじゃ箱」という直売所。
まずそもそも”野菜直売所”って、あんまり馴染みがなくないですか?ぼくはないです。なんとなく入りづらいというか…
今回はせっかくお伺いさせて頂いたので、いろいろお話を伺ってみました。
野菜直売所の魅力「生産者との距離がめちゃくちゃ近い」
お話を聞かせてくださったのは、ごじゃ箱の佐藤さん。
ぼりさん:佐藤さん、今日はよろしくお願いします!根本からの質問になっちゃって申し訳ないのですが、直売所ってどんなところなのでしょうか?なんか、シンプルに「直売所だから安い」ってイメージはあるんですけど…。
佐藤さん:そうね、行政とかJAが営業してるわけじゃないし、間に仲介業者が挟まってないから、安く販売できるのがまさに”直売所”よね。あとは、商品としてキレイな形なくてもおいしいものも販売できて、農家さんが直接ここに値札を貼って棚に並べていくの。それで、並べられている野菜には生産者の名前も書いてあって、生産者Noでコーナーも分けてるから「〇〇さんのトマトがいい!」とかって、生産者で決めて野菜を買いにくる人も多いよ。
ぼりさん:なるほど…っ!最近はスーパーでもそういったところは増えてきてるけど、実際に生産者さんが直接置いていってるとは思いませんでした…っ!まさに直売所!!
ばーしー:直売所は季節に応じて並んでいる野菜の種類が変わるので、食べ物の旬がわかるんです。夏は体を冷やすトマトやキュウリ、ナスといった野菜、冬は身体を温める人参や蓮根などの根菜が並びます。旬の野菜を食べること自体が、体調を整えるのに役立つので、そういった面でも、旬のものを中心に扱う野菜直売所がとてもいいと思っています。
こうして取材をしている間にも、どんどん生産者の方が来て、お店の人に挨拶だけして野菜を並べていきます。
シールが貼ってあれば、誰の野菜が売れたか判別できるから問題はないそう。
佐藤さん:あ、あと3日経った野菜は半額にしてるの。
ぼりさん:え、あ、ほんとだ!!半額になってる!!ぜんぜん質変わってないのにめちゃくちゃ安い!!
佐藤さん:野菜の直売所は、もちろん余計な仲介がないぶん野菜は安くなるんだけど、それでも今年みたいに雪がすごかったりしたら野菜の数は減るのよね。そんなときは、地元農家さん以外のところからも野菜を仕入れつつ、ある程度は野菜がひととおりあるような状態にしてるの。でも、やっぱり大手のスーパーとかと違って、定期受注してるわけじゃないから、直売所の品数とか価格とかを見てれば、農家さんの今の状態は一目瞭然でわかる。
ぼりさん:なるほど…ただシンプルに安い!新鮮!とかってだけじゃなくて、いいものをいい時期に、ある分だけ買えるのが直売所なんですね…っ!ありがとうございます!
野菜直売所のポイント
- 圧倒的な生産者との距離間の近さ
- 形が悪い”だけ”の野菜が安価で買える
- 直売所を見れば農業の動きがわかる[/su_service]
今こそ食べたい!”春トマト”の選び方
佐藤さん:まあでも、とにかく今ごじゃ箱でオススメしたいのは春トマト!うちはトマトがイチオシみたいなもんなんだから!コレ見て!立派でしょう!!
ぼりさん:トマト大好きです!!!ただ、トマトってそもそも夏のイメージ強くないですか?寒い時期は皮が固いイメージなのですが…
ばーしー:トマトはそもそも夏の野菜ですよね。本来は、地中海のような乾燥した温かい地域で採れるんです。そもそも日本で育てる野菜ではなく、原産はアンデス地方です。日本の夏は確かに温かいんですけど、湿気が多いからトマトにとって最適とは呼べません。なので、日本でのトマト栽培はハウスが主流なんです。
ぼりさん:知識がすごい。
佐藤さん:春トマトは寒い時期に育つから、身を守るために皮が固くなっちゃうけど、甘みと酸味が凝縮されてるの。それで、トマトの底を見たときに放射線上の線がバランス良くできてたらとってもいいトマト。
佐藤さん:栄養がしっかりある証で、このお尻の線がバラついてなかったら栄養も偏らずに分散してるってこと。春トマトのおいしさが分かってる人は、この時期のトマトはすぐに買って帰るのよ。お店に並べてから一時間もしたらほとんどなくなるんだから。
ぼりさん:いや、まじですか…知らなかった…
なんかもういろいろテンション上がっちゃってめちゃくちゃ野菜やら味噌やらを購入。
そんなこんなで買い出し終了!!!
春トマトのポイント
- 寒い時期のトマトは固いけど甘い
- お尻の放射線状のやつが均等だと、栄養も均等
- 重みとハリがあるものを選ぶ[/su_service]
美味しさそのまま”春トマトのマリネ”
自宅に帰ってきました。
あと、雰囲気が出るように割烹着に着替えました。
雰囲気出したかった以外、割烹着になったことに大した意味はありません。
とりあえず、まず一旦そのまま食ってみました。
…。
うっまぁ…
確かに言われてた通り、ある程度皮が固いけど、身がしっかりしてるし、甘い。
子供の嫌いだったトマトの酸味も、ぜんぜん強くない。
子供のときにコレ食べたかった…
そのままで食べた感覚で言えば、このトマトを調理するのに「余計なことはしなくていい」という答えがでました。
それでは早速トマトを調理していきます
と、いってもめちゃくちゃシンプルです。
超簡単”トマトのマリネ”の下準備
1分以内に終わります。
①ヘタをとる
②食べやすい厚さ(5~8mm)にスライス
③ラップをひいた器に切ったトマトを並べる
これで完了です。いらない部分取ってひとくちサイズに切るだけ。
おいしさそのまま、超簡単「トマトのマリネ」の味付け
今回、簡単マリネのために用意したものは以下の3つ。左から
- 天日塩
- エキストラバージンオリーブオイル
- ブラックペッパー
変にややこしい調味料を使わなくてもこの3つだけで充分。
それぞれの調味料の役割的にはこんな感じ。
- オリーブオイル→ジューシーさ担当
- 天日塩→甘さとのバランス担当
- 胡椒→スパイス
塩と胡椒で全く役割が違うので、「塩コショウ」とかって一緒になってるやつは使わないほうがいいです。
オリーブオイル→塩→胡椒の順番でかけていきます。
*オリーブオイルをトマトに絡ませて、塩と胡椒がトマトに馴染むように
①オリーブオイルを全体に絡む量かける
②塩を2つまみぶんほどかける
③軽く胡椒振る
はい、ここでポイントっ!!
簡単なマリネならジップロックいらず
真空パックのジップロックなんかを使ってももちろんいいんですけど、
こうして空気を抜いて
たたむだけで、簡易包装完成!!!
この状態で15分ほどなじませます。
取り外しもめちゃめちゃ簡単で、端っこを切って
横から出すだけ
ちょっと盛り付けを整えれば一品料理、超簡単”春トマトのマリネ”が完成っ!!!
・味付けはオリーブオイル→塩→胡椒の順番
・ラップでくるんで15分
トマトの選び方・マリネの作り方まとめ
それでは実際に食べながら今回のまとめを。
野菜直売所&トマトの選び方のまとめ
シンプルな味付けうっまぁ…
野菜直売所のポイント
- 圧倒的な生産者との距離間の近さ
- 形が悪い”だけ”の野菜が安価で買える
- 直売所を見れば農家の動きがわかる[/su_service]
春トマトのポイント
- 寒い時期のトマトは固いけど甘い
- お尻の放射線状のやつが均等だと、栄養も均等
- 重みとハリがあるものを選ぶ[/su_service]
”春トマトのマリネ”の作り方のまとめ
春トマトのマリネ”のポイント
- 下準備はヘタとって一口サイズに切るだけ
- 味付けはオリーブオイル→塩→胡椒の順番
- ラップでくるんで15分
春トマト自体が既に甘くておいしいので、塩で味を整えるだけでおっけーです。
おいしいものは、おいしいままで食べるのも”料理”。
料理は足し算ではなく引き算、素材自体がおいしいものをごちゃごちゃとややこしくする必要はありません。
”料理する”って考えると、どうしても手の凝った工程を挟んだり、よくわかんない香辛料とか使いたくなるかもしれません。
しかし、料理ってそもそも「美味しく食べられるように手を加えること」なので、手を加えることが目的ではありません。
素材自体がおいしかったら変にいろいろする必要はないんです。
(あぁ…いいこと言った、俺。)
と、いうわけで、ぜひぜひ素材自体がおいしい食材を、おいしさそのままに食べてみてくださいね!
それではまたどこかでお会いしましょ〜!!!
記事執筆に協力してくださった皆様
- 取材協力/椎葉 康祐さん/Blog【NEO 農村生活 〜 心の豊かさを求めて〜】
- 取材協力/ごじゃ箱(岬店)さま
・住所 千葉県いすみ市岬町井沢1896-1
・電話番号 0470-87-8580
・営業時間 9:00~18:30
・休業日 1月1日~1月5日
・HP 新鮮、安心、安いの三拍子そろった外房、いすみの直売所 ごじゃ箱 - 撮影/草葉 あゆみ
- 構成&執筆/ぼりさん(@borilog)