なぜ若者は祭から離れていくの!?来場者数日本1の博多祇園山笠を取材しながら考えた

こんにちは、「博多の宮本武蔵」ことショーン(@s3am0763)です。

 

ふんどし姿が見苦しいという方に朗報!

ぼくが履いているのは締め込みであり、ふんどしではございませんのでご安心ください。

正直違いはないです笑

 

それにしても最近は暑い日が続きますね。みなさん、汗かいていますか?

連日猛暑の中、ぼくは福岡に来ています。

なぜこの時期の福岡に降り立ったのか…

 

夏の福岡といえば山笠!!

福岡では毎年7月1日〜15日の間、博多祇園山笠というお祭りが行われております。

しかし、その実態はあまり多くのwebメディアに取り上げられてきませんでした…。

 

誰も書かんならやるしかないばい!

福岡県出身のショーンとしては地元の祭をもっと多くの人に知って貰いたいと思っています。そして、福岡愛は他のライターには負けません!

気持ちを込めて書いていきますのでどうぞお付き合い下さい。

 

博多祇園山笠ってどんな祭り?

福岡県は「博多祇園山笠」と「どんたく」という100万人を超える来場者数を誇る祭りがあり、日本有数の祭り県と言っても過言でありません。

その中でも博多祇園山笠は福岡で行われる最大規模なお祭で、来場者数はなんと300万人!
これはあの有名な青森のねぶた祭りよりも多く、来場者数日本一です。

また、その起源は鎌倉時代にも遡り、776年間の歴史と伝統を培ってきました。

さて、これだけでもだいぶインパクトのある祭りですが、 去年の年末にはユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

ひとまず見てもらうのがいちばんわかりやすいので動画をご覧下さい。

このように締め込み(ふんどし)姿の男たちが7つの「流れ」と呼ばれるチームに分かれて、重さ1トン以上ある山を担ぎながら決められたコースを走り、そのタイムを競い合うお祭りが博多祇園山笠です。

 

スケジュール

・7月1日〜15日 飾り山一般公開

合計14の飾り山が博多の街でお披露目されます。

 

・7月1日、9日 お汐井とり

1000人以上の書き手が一堂に会して行われるお汐井とりは、その参加人数の多さゆえの見応えがあります。

お汐井道と呼ばれる小道に水法被に締め込み姿の男たちがまっすぐ列をなしてお汐井を取りに行く姿は、神秘的なものと言えるでしょう。

 

・7月10日 流舁き

そのとし初めての柿山が行われる日。

この日を境に、博多祇園山笠は「静」から「動」へと変わります。

 

・7月11日 朝山

日が昇ってない午前5時、博多の街では「オッショイ」の掛け声とともに山笠が動き出します。

この日に限り、子供達も大人の舁き山の台上がりを許されます。

 

・7月11日 他流舁き

朝山から12時間後、「陣中見舞い」と言う意味合いを込め、自分の流れのある地区とは別の場所に山笠を舁き入れます。

https://twitter.com/yasu3835/status/885169560780890113

 

・7月12日 追い山ならし

最終日の追い山に向けた練習。

追い山よりも1キロ短い約4キロの距離を、櫛田入り(スタートしてすぐに櫛田神社の中を山が一周する行為)など本番さながらの流れで執り行います。

 

・7月13日 集団山見せ

この日に限り、山笠は博多の街を出て、福岡の中心街である天神に姿を現します。

追い山に次ぐ人気行事であり、平日にもかかわらず多くの人で街はごった返します。

 

・7月14日 流舁き

2週間行われてきた山笠もフィナーレに向かいます。

追い山前最後の流舁き。

この流舁きは若手に経験を積ませる意味合いもあり、若手の舁き手にとってはその年山を舁区最後のチャンスです。

 

・7月15日 追い山

博多祇園山笠のクライマックス、追い山。

早朝、日が昇る前から熱気に包まれる博多の街に、男たちが駆け出します。

 

毎年必ずこの日程で行事は執り行われ、多くの参加者はこの2週間、仕事も休んで山笠に精を出します。

 

コース

15日、最終日の追い山のコースは赤色です。

距離にして約5キロを1000人以上の男たちが朝から駆け巡ります。

 

スタートは櫛田神社 

ゴールは「追い山」廻り止め

ゴールでは須崎町石村萬盛堂のおかみさんによって、タイム表示が2階の窓から行われます。

 

ゴールについた山笠は、その後自分たちの地区まで走り、到着後すぐに解体。

ゴールと同時に解体する粋の良さが、博多っ子の性格を表しているとも言えるでしょう。

 

格好

祭りの格好はいたってシンプル。

水をかけられても走り続けられるように、あまり着るものが多くないような工夫がされているようです。

博多祇園山笠は女人禁制を厳格に守っている祭りで、参加者は男性しかいませんのでこの格好でも問題はありません。

締め込み姿の男たちが朝の博多の街を駆け巡る姿を生で見ると、その迫力に圧倒されます。

 

なぜ祭りから若者は離れて行くのか?

せっかくの博多祇園山笠の密着取材をする機会、みなさんにわかりやすくテーマ性のある記事にしようと決めました。
決めたテーマは「若者の祭り離れについて

 

近年、若者が祭りに参加しなくなっていると各地で叫ばれていますがなぜ若者は祭りを敬遠するのでしょうか?

ツイッターのアンケートを使って調べた結果。

1番多かった理由が無関心です。
ひとまず仮説としては、若者は伝統が嫌いという前に、祭りに興味がないということがわかりました。

 

「これは祭り好きの立場からしては非常にマズイですね…」

祭りに参加するためには、前提として祭りの存在を知っていることが不可欠。

無関心ということは、どこかに興味を削がれる原因が必ずあるはずなので、この取材で必ずや見つけてきたいと思います!

 

街中にいる若者に祭りについて聞いてみた

福岡の街にいる人にインタビューして行きたいと思いますが、さすがに1人では心細いので助っ人を準備しました!

『福岡でお祭りといったらこの人、剣士さんです。』

『はいどーも!福岡が生んだお祭り男こと、剣士です!』

『お久しぶりです剣士さん。いま世界一周の途中で日本に一時帰国されているんですよね?』

『来年2月からまた世界に飛び出す予定だよ。これがお祭男の証ばい! 』

ドンッ

『すごい!これ日焼けですよね。流石です…今日はよろしくお願いします。』

『よろしくー!』

 

『ぼく、天神の若者って「ソラリアプラザ」にいるイメージあります。さぁ、行きましょうか!』

『いやいや、さすがにこの格好で商業施設はまずいでしょ!速攻叩き出されるの目に見えとるやん。ひとまず警固公園で探してみようよ。』

『やっぱりそうなりますか…笑』

 

『ちょちょちょーい!お祭りについてインタビューさせてもらってもいいですか?』

「はぁ(うわーヤベェ奴に捕まったよ…)」

『伝統あるお祭りについての取材をしているのですが、山笠に参加、もしくは見に行ったことはありますか?』

『テレビでしかみたことないです。』

『小さい頃参加したことがあります。』

『お、参加してみてどうでしたか?』

『あんまり覚えていないんですよね。今は参加しようとは思いません。』

『そうですか…なぜ若い人は参加したり、見にいったりしないのでしょうか?』

やっぱり情報が足りないと思いますね。大学の友達で伝統的な祭に行こうって言う人いないので。』

『私も友達が一緒に行ってくれるなら参加するかもしれません。』

『わかりました、お時間いただきありがとうございます。』

 

『すみませーん、大学生の方ですか?』

『はーい!◯◯大学でーす!』

『山笠についてインタビューしてるのですが、山笠見に行ったことありますか?』

 

『ないです。』

『ないです。』

『男だったら参加したい!』

 

『えー!なんで?』

『え、なんかカッコいいやん!』

『カッコいいとは詳しく教えて下さい!』

『ふんどし姿で走っているの見たことあって、それみて感動しました。』

『やっぱりみたことある人と、見たことない人では、やはり捉え方が違うんですね。ありがとうございました。』

 

『はっ、美人!!顔出しとかって・・・ですよね〜』

『今の人、女優の小雪さんにとても似ていましたね。顔だしできず残念です…』

『めっちゃ美人だったよな!もう少し話聞きたかった…笑』

 

ふぐっ…

(けんしさんの様子がおかしい)

『お綺麗ですね!』

『やめて下さい!照れます。』

『おーい、ナンパじゃないんですよ!』

『ごめんなさい、美人に会うとつい変顔してしまう癖が…』

『祭りに行かれるんですか?』

『あ、違うんです。今回は取材中でして…』

『お話聞きますよ!』

『ありがとうございます。今博多祇園山笠が行われているの知ってますか?』

『いや、ちょっと…』

『そうですか、伝統的なお祭りのイメージってどんな感じですか?』

『上下関係とか厳しそうだし、あんまり良いイメージは無いです。』

『ですよね〜』

(お祭り男がそれ言っちゃ駄目でしょ) 

『もしよかったらこの後飲みにでも行きませんか?』

逆にうちのお店にきませんか?』

  ・・・

『いらんことするからですよ!自業自得です。』

 

『はぁーそれにしてもけんしさんばかり女の子と話せていいな〜 』

 

『何してるんですか〜』

 

話しかけてくれたのは大学アメフト部の3人

『おいおい、ぼくは女の子と話したかったんだけどな〜』

『良いじゃないですか!インタビュー受けますよ。』

『それではよろしくお願いします。山笠とかって参加したことありますか?みなさん即戦力になるような気がするのですが…』

『ないですね。』

『ぼくもないです。』

『なぜそれだけの肉体を持ちつつ、参加しようとは思わないのでしょうか?笑』

『うーん、何でと言われても考えたこともなかった。たぶんきっかけがあれば少しは考えるんですけど、今まで山笠については考えたこともなかったです。』

『なるほど、ちなみに上下関係とかってどう思います?』

『まぁ、ぼくらの場合は部活で叩き込まれてますからね〜笑』

『確かに…みなさんせっかくすごい身体を持っているんですから、これをきっかけに山笠参加して見て下さい!インタビュー受けて頂きありがとうございました。 』

 

検証結果!!

締め込み姿で街を歩くと女の子とは話せないが、

身体のゴツイ人は話しかけてくれる!!

 

バシッ!

『すみません。街中で11人にお話を聞いた結果、現状山笠に参加したいという人は1人しかいませんでした…剣士さんはどう思いましたか?』

『うーん、さっきの子も言ってたけど参加のきっかけが少なすぎるよね。大学の中で参加者を募ったり、博多だけではなく他の地域でもPR活動をやっていくべきだと個人的には思った。』

『あと、インフルエンサーの力借りてインスタで拡散してもらうとかもいいかもね!』

『確かに、若者が参加しやすい環境を作ってあげることって必要ですよね。

お付き合いいただきありがとうございました。 』

 

(注)今回は博多祇園山笠シーズンだったので、あまり不自然ではなかったようですが…日常で褌(締め込み)一丁で歩くのは法律的には大丈夫なようですが、職務質問等は受ける可能性がありますのでお気をつけください。

 

歴史をつなぐ人々の思い

中洲流に所属する瓜生さん(左)と、小野さん(右)

 

小野さんは山笠歴15年目のベテラン!

好きなアイドルはモー娘。

 

瓜生さんは山笠歴3年目の山笠ではまだ新人!

今年は2人の子供の大学、高校のダブル受験を控えたお父さんです。

 

なぜ祭りに若者が参加しないのか?

『初めまして、ショーンと申します。さっそくおふたりにお話を聞いていきたいと思うのですが、現在博多祇園山笠には若者はどのくらい参加しているのでしょうか?』

『なかなかおらんとですよ。ぼくもまだ若い方ですが、36とかですからね。』

『20代の人はどうでしょう。』

『中洲流には少なかですね…ほとんどがぼくらと同じ30、40代です。』

『なぜ若者が参加をしないのか、そこに理由はあるのでしょうか?』

やっぱり若者は自分の理屈を通したがりますからね。それじゃあ、なかなか続かんとです。山笠にはそれがないけんですね。伝統を守り、繋いでいかんといけんのですよ。』

『確かに、そう言われてみるとぼくもすぐ理屈っぽくなっちゃいます。これは個人的意見(理屈)なのですが、伝統とは変わらず厳守するものではなく、変わりながらも続いていくものではないでしょうか?』

『そうかも知れませんね。ただ、ぼくらにも上の人から学んだものがありますけん…』

『上の人から学んだものとは?』

『下の者が上の者をたてることであったり、礼儀や感謝といったところです。』

 

伝統…参加したことの無いぼくにはなかなか理解できないものなのかも知れません。

特にぼくと同世代の一般的に若者と呼ばれ、祭りを敬遠しているような人たちにとってはとくにその感覚は強いでしょう。

また継続して参加する難しさもあります。

理解できないものを継続するのはなかなか難しいので、伝統というものを若者に説いても好きになってくれる方は少ないでしょう。

他のところに魅力はないか探って見ました。

 

山笠の魅力を教えて下さい!

『おふたりにとって山笠とはどういったものですか?』

『仲間とか家族みたいなもんかなぁ…毎年集まって山笠を舁く(担いで走る)、それだけで仲間になれるとですよ!もうこの歳なったら熱くなれるもんとか他にないけんですね〜。』

『山笠は年末みたいなもんです!みなさんは年末に「もう1年経ったな〜」と感じるかもしらんけど、ぼくらの場合はそれが山笠になっとるとです。』

『なるほど、おふたりの意見を聞いていると、祭りとは継続することで魅力を感じるものなのかも知れません。一方で若者に継続しろと言っても難しい部分もありますが、別に魅力があれば来てくれる若者も増えるかも知れません。』

『おふたりはなぜ山笠を続けているのですか?』

『ドMだからです!笑』

『ドM…これ記事にのせますよっ!』

『かまいません、ぼくたちは苦しゅうないと楽しゅうないという気持ちなので、どんだけ仕事が忙しくて辛くても山笠に来とるとです。高校時代の汗臭い部活と一緒。この歳になってそんなことやってるぼくたちは、ドM以外の何者でもなかですよ!笑』

『はぁ…』(そんなに顔をイキイキさせて答えられてもなぁ)

『話がそれとーやろうが!すみませんね、1つの魅力として、この歳になっても熱い気持ちをぶつけられる場所があるということがよかところです。ある意味、若者は他にエネルギーをぶつけられる場所を見つけとるんじゃなかですかね?』

『話を戻していただきありがとうございます!確かに若いうちは結婚や育児などの制限がないぶん、他のところでエネルギーをぶつけられるのかも知れません。ただ、それが祭りではいけないという理由にもなりませんよね?』

『まぁ、祭りは伝統を繋ぐという価値観が根強いですから今の若者には少し価値観が合わんのでしょうね。 ショーンさんの言うように、うまく時代に合わせて継続していけるようにならんといかんのかも知れません。なかなか難しいとは思いますが… 』

 

『ありがとうございました。おふたりの後ろにあるのが、今年中洲が舁く山笠ですね?』

『そうです。名前を『一喝百雷如(いっかつひゃくらいのごとし)』と言い、重さは約1トン半あるとですよ〜』

『1トン半を26人で舁くって凄いですね!1人60キロ近い重さを担いで走るとなると大変でしょう?』

『まぁ今年の山は中洲がいちばん重いんじゃないでしょうか…そのぶん息を合わせて舁かんといかんですね。』

『今年はあんまりいいタイムでらんかもしれん…ぶつぶつ』

『お前はいらんことばっかゆーてから!』バシッ!!

(ぼくも小野さんと同じこと感じてた…)

『まぁ頑張りますよ!』

『これも何かのご縁ですし、一番早いタイム出せるように応援しています。』

 

『ありがとうございます!』

『今日は忙しいなか時間をとっていただき本当にありがとうございました!』

 

最初会った時は伝統を重んじている祭りだけあって、なかなか近づき辛いオーラをまとっておられた二人でしたが、話してみると物腰柔らかくとても熱心にお話をして頂きました。

しかし締めるとこはしっかり締めていて、なんだかんだかっこいいです。

おふたりの話を聞いてぼく自身も考えを変えられたこともたくさんありました。

印象的だったのが、瓜生さんの言っていた「参加しとらんもんに何がわかるとね?」という言葉、祭りは学びの場であり、若者にとっても学ぶことはあると思うので、完全に無視するのではなく、少しだけ気にかけてみることも必要かもしれません。

集団山見せで今年の舁き山を一挙紹介! 

集団山見せとは7月13日に行われ、唯一山笠が福岡の中心部にやってきます。

この日の台上がり(山笠の上に乗っている人)には、著名人も参加していました。

中洲流台上がりの右端に注目

今年は麻生太郎副首相が参加していました。

本番の追い山にはさすがに副首相は乗っていませんが、こういう楽しみ方ができるのは、集団山見せならではです。

緑の締め込み姿は小松政夫さん

 

一番山笠 中洲流

一喝百雷如

(いっかつひゃくらいのごとし)

人形師:溝口堂央 

 

二番山笠 西流

肥後虎不屈逆境

(ひごのとらぎゃっきょうにくっせず)

人形師:西川直樹

 

三番山笠 千代流

天晴継承譽之鬼退治

(あっぱれけいいしょうほまれのおにたいじ)

人形師:川崎修一

 

四番山笠 恵比須流

三級波高魚化龍

(さんきゅうなみたかくしてうおりゅうとかす)

人形師:亀田均 

 

五番山笠 土居流

決戦大江山

(けっせんおおえやま)

人形師:中村弘峰

 

六番山笠 大黒流

神威佛光契

(じんいぶっこうのちぎり)

人形師:西山陽一

 

七番山笠 東流 

◯△□宏人花照

(まるさんかくしかくこうじんははなをてらす)

人形師:白水英章

 

祭り本番、追い山のど迫力に驚愕

さて最終日の15日は追い山です。

朝から男たちの勇姿を見ようと多くの人が集まってました。

ぼくが陣取ったのは櫛田神社の前!

追い山のスタート地点です。

ぼくも朝3時からスタンバイ。

櫛田入りを一目見ようと、櫛田神社の前に集まった人だかりの中で撮影場所をキープするのに必死でした。

追い山5分前になると、ざわついていた大衆が一気に静かになり、あたりは男たちの熱気と張り詰めた緊張感に包まれます。

 

5秒前の合図と同時に、カウントダウンが始まり、4時59分、一番山笠男衆の「ヤー」と言う掛け声とともに追い山がスタート。

 

こちらは櫛田入りの様子です。

 

櫛田神社を出た山笠は、そのまま博多の街を疾走します。

街には人が溢れんばかりにいました。

 

日が昇った午前6時にはほとんどの山がゴール。

今年の山笠が終わります。

初めて追い山を見たぼくは、博多の街全体が息をしているように思えました。

朝早起きして、汗かいて途中何度も帰ろうかと思ったのですが、終わって見ると観客にさえ清々しさを与えてくれるお祭りだったと感じます。

 

祭りと若者のギャップはどうしてできたのか?

今回博多祇園山笠の取材をしてつくづく感じたことは、伝統と若者の価値観との間に大きなギャップがあるということ。 

今回の取材では、若者からは祭がどういったものか分かりやすい情報がないという声を聞き、逆に祭りの参加者たちは若者の側から主体的に興味を示すべきだという声を聞きました。

 

これは、祭りの習わしとしての年齢が下の者が上の者を敬うという風潮の中にある、率先して若者が動きなさいという教えの影響でしょう。

しかし、今の若者は自分にとってどうあるかが最優先であり、自分にとって価値を感じないもの、よくわからないものは敬遠します。

そのことが、祭りと若者の間に大きな溝を作っているのだとぼくは感じました。

 

これはどちらが悪いという話ではありません。

集団を重視する世代と、個人を重視する世代という日本社会の大きな流れの中でできた世代間ギャップの象徴的な問題の1つです。

 

ギャップをうめるためには何かを変えなければならない

そのギャップをうめるためには、祭りの方から距離を詰めるしかありません。

このまま祭りの参加者たちが「上下関係の大切さ」という価値観と、「祭りを理解するのは若者の方だ」という価値観を、一緒くたにして若者に押し付けると、若者の祭り離れは加速していくことでしょう。
それでは伝統を繋ぎたくとも、それを受け継いでくれる人材がいなくなります。

 

これまでは地域の若者が参入して、祭を盛り上げていましたが、若者の祭り離れが進む中で、新たな人が参加しやすい環境づくり、きっかけづくりを率先して祭りの参加者の方から作っていくべきだと感じました。 

その中で変わっていくものも当然あります。

そこに「俺らがつないできた伝統!」というプライドは必要ないのではないでしょうか?

 

大幅に祭りの内容が変わるということは避けなければなりませんが、新しい人が参加して祭りの中の人間が変わっていく中で、100%全く変わらない伝統を引き継いでいくということは理想論でしかありません

唯一変わらないことは祭りが続いていくという単純な事実のみ。そして「伝統」とは祭りが続くことそのものではないでしょうか。

 

これを達するためには、やはり参加しやすい環境への変化と若者に知ってもらいやすい媒体やイベントでの情報告知が必要だと思います。

 

男たちがかけた後の博多の街は、日常を取り戻します。

おいさ、おいさ!

心地よい掛け声とともに、福岡にも夏がやってきました。 

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