聖地になりそうなとこ巡礼(宮崎県 えびの市)


 

聖地巡礼という言葉があります。

宗教などの聖地をめぐることを言いますが、近年ではアニメなどの作品の舞台をめぐることを指すことが多いです。

「その場所に行って作品に想いを馳せたい」とファンが訪れることで何でもないような場所でもプチ観光地化することもあります。

 

日本だけでなく世界の聖地を登録しているアニメツーリズム(http://anime-tourism.com/)を見てみると日本だけでも一万箇所以上の聖地が登録されています。

 

 

その中で聖地登録数が最も少ない県を発見しました。

 

 

宮崎県です。

 

 

登録数は2017年6月11日現在で。まさかのです。

 

アニメの聖地があることをPRにうまく利用している自治体も多い中、

宮崎はそもそもその利用する聖地がほとんどありません。

 

 

そこで宮崎県に提案があります。

 

 

普通は作品があってはじめて聖地というものができます。

しかし何らかの作品ができるのを待っていては遅すぎます。

 

 

ここはひとつ、作品を先回りして聖地から決めてしまうのはどうでしょうか?

 

 

ということで今回は宮崎県 えびの市の聖地を作品を先回りして巡礼してきたのでご覧ください。

 

 

日常風景

アニメ作品は日常風景が大事です。物語というものはこのなにげない日常風景から始まります。

 

まず、日常風景になりそうな場所を選定しました。

こちらです。

寂しい雰囲気の商店街です。

「フツーだけどちょっと特別でノスタルジーを感じさせる場所」を基準に選びました。

建築学科を卒業している僕がPhotoshopでアニメっぽく加工するとこうです。

 

 

 

せっかく僕が取材に行ったのに顔が見えなくなっていて悲しいのでもとの写真も載せておきます。

 

 

ここ京町銀天街は京町温泉郷という温泉が密集しているスポット唯一の商店街です。

 

商店街内にある松尾旅館前ではゆっくり足湯に浸かることもでき、

さらに、足をふくタオルまで置いてあるので気軽に足をお湯につけれますね。

 

 

 

 

おそらくこの聖地は

 

「主人公の冴えない男子高生が、家でちょっとした何かしらがあって、気分転換に京町温泉街の温泉
に入りに行く。

 

そして、温泉帰りにスナックの前で掃除をしているヒロイン役となる同級生を見かける。

こっそり見ていたがヒロインに気づかれそうになって主人公が慌てて隠れ、ヒロインは何事もなかったかのように店に
戻っていく」シーンとかに使われるのではないでしょうか。

 

 

 

少年少女が親密になる場所

 

主人公がヒロインの秘密を知ったところから二人の淡い恋が始まっていきます。

この淡い恋が育まれる場所として選んだのがこちら。

 

 

真幸(まさき)駅です。

真幸駅は100年以上前の駅舎がそのままの姿で残っている、宮崎で最初にできた駅です。

真の幸せと書いて「真幸(まさき)駅」と読むことからホームには幸福の鐘が設置されています。

 

これを鳴らしに来る人もいると事前に聞いていたのですが….

 

人が全くいません。

 

ただ、これはいいことで、駅を独り占めできてしまうということです。

 

 

中の様子はこんな感じです。

築100年以上のさびた雰囲気がいいですね。

 

 

 

ここは「夕暮れ時、主人公が電車を待っていると、ヒロインが追いかけてきていて『スナックで働いてることは先生には黙ってて!』と言われ、なんやかんやあってヒロインの複雑な家庭の何かしらを聞くことになり、そのままヒロインが泣きながら何かしらを忘れて出ていって、主人公がそれに気づいて『明日渡そう』と自分のカバンにその何かしらを入れる」シーンがこれからできるかもしれない作品にあるとすれば、ぴったりの場所なので聖地にしておきました。

 

 

 

 

 

不思議なことが起こる場所

物語には非日常性も求められます。そこで不思議なことが起こりそうな聖地を選定しました。

 

めがね橋です。

昭和三年に架けられた石造りの3連アーチ橋で、正式名称は『月の木川橋』。

もともとは木材を運搬するトロッコが通っていました。

 

「翌日、そのなにかしらを返そうとしたが、登校中にその何かしらが不思議な何かしらの反応を示し、その何かしらに導かれるようにここへやってきた…」

というシーンがあるとすれば有名になりそうな場所ですね。

 

 

 

「薄暗い木々のトンネルを奥へと進むと

 

 

 

何かしらふしぎなことが起こって主人公は腰を抜かしてしまう。

 

 

そこにさらに何かしらの目的を持った敵がいきなり現れてピンチになるが、ヒロインが登場して不思議な何かしらの力で危機を救う。」でおなじみの聖地になりそうな場所ですね。

ちなみにこれからできるであろう作品内では、「この後返す予定だった何かしらは何かしらの理由があって返しそびれる」はずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徐々に深まる仲

 

「帰り道が一緒の二人は2~3時間に一本の電車を待っている間に中を深めていく」のシーンにピッタリな真幸駅が再登場します。

この真幸駅、上りも下りもどちらもほんとに2~3時間に一回しか電車が来ません。

何も考えずにここから電車に乗ろうとするとすごく待つ羽目になることもあるでしょう。

 

しかしその分、電車を待っている間にヒロインと仲を深め合えます。

このように駅なのに絵馬まであって、

 

『「好きな人と結ばれますように」とヒロインが書いて「え…これって..」と.主人公が戸惑うシーン』の場所もここです。作品があるとすればですが。

 

 

※写真右側の椅子にはヒロインが座っているはずです。

 

 

ドキドキポイント

少年少女が出会ったからには、その作品にはドキドキポイントがあります。

 

これからできるかもしれない作品のためにドキドキポイントにピッタリな場所を探しました。

 

 

道の駅です。

 

道の駅って最もドキドキとは程遠い場所ですが、だからこそ良くないですか?

なんかふらっと立ち寄って油断してたのに、ドキッとするみたいな。

 

 

これからできるかもしれない作品も、道の駅でドキドキが生まれるべきだと思います。

これから作品を作ろうとしている方は、僕が選んだ聖地に忠実に原作を作ってくださいね。

もちろん原作は好きに作っていただいて構わないですし、原作に登場する聖地もアレンジしていただいて結構ですが、

「どんな気持ちで聖地を制作したんだろう…」と聖地制作者である僕の意図を原作者が汲み取ることは最低限の礼儀です。

 

 

 

話が少しそれましたが、ドキドキが生まれるシーンを紹介する前に

お腹が空いてきたので道の駅の中にある食堂 えびのっ娘で

 

特Aランクのえびの米とバイキングを楽しんでから

 

 

 

こちらのお店で

 

 

名物のきんかんソフトを購入しました。

 

はい。ヒロインが食べていたソフトクリームを渡されて「え…これって間接キス??」と主人公がドキドキするシーンですね。

僕の左隣にヒロインが座っている想定ですが、撮影しているときになぜだか涙が溢れ出してきました。

 

 

 

 

 

度々訪れる危機

 

ヤマトタケルノミコトを祭神として平安後期に建立後、移設、再建され現在にいたる白鳥神社。

  • 受験
  • 縁結び
  • 交通安全
  • 厄除け
  • 健康、長寿

 

などのご利益があるといわれています。

ご利益欲張りすぎでは?

 

 

 

 

ここはもちろん「今度はヒロインが何かしらに襲われピンチになっているときに主人公が颯爽と助けに来て、『ありがとう。○○君…』と言われ、主人公が照れ隠しに『さてとそろそろ行くか』と去っていく」シーンでおなじみの場所になりそうだという理由で聖地として選定しました。

 

 

 

 

世界の危機

とうとう世界がヤバいことになり始めたことを示すシーンにピッタリな場所も見つけておきました。

地獄です。

 

といってもこれは温泉の地獄です。

この地獄は西郷隆盛が湯治に訪れた歴史ある温泉・白鳥温泉上湯にあります。

ここにある地獄が「何かしらの影響で世界が崩壊し始めている」ことを示すスポットです。

 

しかし、作品内ではここは地獄としては扱わず、普通のそこらへんの地面として扱います。

普段の生活において地面から白い何かしらが噴出してるときは、きっとヤバいときです。

この場所はもし作品があるとすれば「これを見たヒロインは何かを決意したように走り出し、主人公はそれを追いかけるも、見失ってしまう」あの有名なシーンになる予定です。

 

 

 

 

最終決戦

主人公は何かしらのきっかけで昔、ヒロインがふとした拍子に話しだした大浪池(おおなみいけ)の伝説の話を思い出します。

 

大浪池は日本一高い位置にある火口湖で水面の標高は1241mにもなる場所です。

 

大浪池の名前の由来は「山の神に祈って授かった女の子『お浪』がある夜、山の池に飛び込み、実はお浪は竜の化身であることが分かった」という伝説から名づけられたとされています。

 

主人公はこの伝説を思い出し、大浪池へとやってくるのです。

 

その大浪池がこちら。

 

 

大浪池登山口からここまでは30分くらいで登れるんですが、普通にバテました。

 

しかし、たどり着いたここの景色を見てその疲れは吹き飛んでしまいましたね。

いやー神秘的ですね。

さらに写真を撮影している場所の周辺もいい景色です。

「竜の姿になったヒロインが空へと昇り、大浪池上空で強大な何かしらと戦う最終決戦のシーン」があったとすれば最高にぴったりのロケーションです。

ということでここをクライマックスシーンの聖地として登録……

 

 

 

したいところですが!!!

 

 

 

現在撮影しているA地点は鹿児島県 霧島市なのです。(登ってる途中に気づいた。)

 

鹿児島県であるA地点をクライマックスシーンの聖地に登録して鹿児島の聖地を増やしてしまっては、鹿児島県に差をつけられてしまいます。

しかし、ここはロケーションとしては最高です。

何とかして、これからできるであろう作品の画面内に大浪池を収めれるような聖地を先回りして定めたい….。

 

 

 

 

 

 

聖地制作者であるそんな僕の想いが、取材班を韓国岳(からくにだけ)登山へと突き動かしました。

韓国岳はこの写真の向こう側に見える山です。

標高1700mの韓国岳は韓国まで見渡せてしまえそうだという理由からその名が名づけられたともいわれています。

山頂はちょうど宮崎県のえびの市、小林市と鹿児島県 霧島市の境目です。

今いるA地点から大浪池をぐるっと回るようにして、韓国岳山頂へと向かいます。

あそこからなら宮崎県 えびの市にいながらにして大浪池を見下ろすように画面内に入れることが出来るはず。

 

 

ということで…

 

 

2時間かけて山頂付近にたどり着きました。写真は僕が疲れてへばっているところです。

 

 

ここまでくると、この記事が掲載されているメディア『ロカフレ』への怒りがたまって来ています。

 

カメラを回していたのは編集長だったんですが、僕が悪口しか言わないので慌てて撮影を中止したのが見てとれるかと思います。

 

しかし確かにロカフレに対してひどいことは言っていますが、ロカフレには感謝しています。

これほどまで疲れることができたおかげで、意図せず

「山頂の手前に差し掛かった時、ヒロインが強大な何かしらから何かしらの攻撃を受けて大浪池に落ちていってしまい、目の前でヒロインがやられる」絶望的なシーンにぴったりな写真になりました。

 

 

 

ずっとここでぜーぜー息を切らしているわけにもいかないので、逆転するシーンを撮るために山頂へと向かいます。

 

 

そして

 

 

たどり着きました!山頂です。

 

 

 

山頂に到着すると大浪池の反対側には巨大な火口が広がっていました!

 

 

が、高所恐怖症の僕は腰を抜かしてたし、

 

 

大量の飛び交う虫にも襲われて不快な気持ちになっていました。

2時間30分かけて登ったのに散々です。

 

 

しかし僕は頑張って

「真幸駅での忘れ物でずっとヒロインに返そうと主人公が持っていた何かしらが何かしら不思議な光を放ってヒロインを復活させ、何かしら協力して、強大な何かしらに打ち勝つ名シーン」になるであろう場面を先回りして再現した一枚を収めることに成功しました!!

 

胸が熱くなるクライマックスには最高の聖地です。こうやって物語は真のクライマックスに向かい始めます。

真のクライマックスとは、壮大な事件を解決した主人公とヒロインの二人の仲が最終的にどのようになったかを表す描写のことです。

告白して終わるのか、好きだということを匂わす意味深なことを言って終わるのか。そうです。僕はこのシーンの聖地を登録するために韓国岳を登ったのです。

 

ということで山頂に近いところから撮った聖地の写真がこちら。

 

厳密に言うとこの位置は山頂からずれているのでたぶん鹿児島県 霧島市ですが、ここに来てまで「その位置、正確には鹿児島じゃねえか!」と言うのはもうやめましょう。山は本来誰のものでもありません。

この写真は作品があったとしたら「平和になった世界を二人で眺めてて主人公とヒロインが、いい感じの雰囲気になってヒロインが主人公のほっぺに何かしらしているシーン」になるであろう感動のラストを作品より先に再現したものです!

作品を作るときは、このシーンからエンドロールに切り替えることをお勧めしています。

 

 

 

 

以上が僕が選んだ聖地です。それぞれの聖地はマイマップにまとめているので巡礼するときはこちらを参考にしてみてください。

 

 

 

いかがだったでしょうか。宮崎県さん。

 

作品を先回りして聖地を巡礼することで、このように誰よりも先に、何なら原作者よりも先に、つくられる前の原作に観光客は想いを馳せることが出来るし、

やろうと思えば無限に聖地を作り出すことも可能です。

もはや聞くまでもありませんが、素晴らしいとは思いませんか!?