はじめましての人ははじめまして!
暗くてジメジメした場所が大好きなハルオサンです。
はい、今回は広島県の広島湾に浮かんでいる、
「似島」という島に来ました。(アクセス情報:広島港からフェリーで30分程度)
人口は800名少々。
島の一周が10キロ少々なので、
徒歩でも数時間あれば周れてしまう程の小さな小さな島です。
まぁ・・・ごちゃごちゃ言っても仕方ないので、
とりあえず「似島」を一緒に見ていきましょう・・・・・・。
バンッ
なかなかキレイな所でしょう?
でも・・・「なんにもないですね。」
いや・・・しかし「何も無い」なんて言い切ってしまうと、
「何も無いわけないが無いだろ!」とお叱りを受けてしまう事でしょう。
ごめんなさい。
でも・・・・例えば同じ広島湾に浮かぶ「宮島」(厳島)と比べると、
観光の意味では寂しく感じる場所です。
この似島を半日かけて、
ぐるりぐるりと歩き回りましたが・・・・
その日は休日だというのに、観光客らしき人は殆ど見かけませんでした。
いや・・そもそも人に出会わない。
私は孤独を愛し、人混みが苦手なので、
他の観光客が居ないオカゲで、
非常に快適に過ごす事が出来ました。、
「空気が美味しい!」ってこういう事なんですね!
人がいないって最高だな!
あたりには生い茂る緑しかありません。
なにせ・・・似島は車を見かけることも殆どありませんからね。
ここにはバスもタクシーもありません。
だから信号機が一基も無いのです。
🔻信号機の代わりにこんなカンバンが立っています。
おやじ会の優しさが胸に染みます。
ああ・・・あと海岸が美しかった・・・・・
これだけ美しい砂浜があるのに、周囲には誰も居ません。
いや・・・・・誰もいないからこそ、美しく保たれているのかもしれません。
こんな景色をぜーんぶ独り占め出来ます。
海岸沿いはずーーーーっと絶景ですよ。
絶景!絶景!
そう・・・・・・あとこれを話さないワケにはいきません・・・・・。
実はこの静かで平穏な似島は、
「広島の第二の聖地」とも呼ばれているそうなのです。
その由来は・・・・少々昔話を交える必要があります。
1945年8月6日
広島に世界初の原子爆弾が投下されました。
突如広島の街を覆う、巨大なキノコ雲。
この一瞬で20数万人の死傷者が出たと言われています。
生き残った被爆者の方々は、
臨時野戦病院が設置された「似島」へと運ばれました。
当時、似島へ収容された被爆者の数は「1万人」にも上るそうです。
わずかな希望を求めて、
多くの人が似島を目指したのです・・・・。
広島港より南にわずか3キロの場所に浮かぶ似島は、
現在ではフェリーに乗って、ほんの20分程で辿り着く事が出来ます。
その日は休日でしたがフェリーはガラガラ。
乗る人は殆どいませんでした。
時期的な事もあるのかもしれませんが、混まない事は良いことだ。
フェリーが似島に近づくと、
ぷかぷかと浮かんでいるイカダが見えてきます。
これは牡蠣筏(かきいかだ)
この海に浮かぶイカダの下で、大量の牡蠣が養殖されているのです。
🔼海に浮かんでいるイカダが見えますでしょうか?
牡蠣の水揚げ量日本一を誇る広島。
似島周辺は牡蠣のエサとなる植物プランクトンが豊富おり、
牡蠣の養殖に最高の環境が整っているそうです。
🔻広島市内であれば、似島の上質な牡蠣が堪能できます(写真:酒食屋木々)
その良質な似島の牡蠣は広島市の「広島ブランド」の認定を受けている程です。
・・・・・そんな話をしていると、もう似島が見えてきます。
到着までの20分という時間は、
長くもなく、短くもなく、
クルージングを楽むには丁度よい時間に感じました。
港を降りたら、すぐ右手にある
「似島合同庁舎」だけには寄った方が良いでしょう。
ここで自転車を借りる事もできます。島の地図や資料も頂けます。
地図や自転車を手に入れたら、あとは自由に行けば良い。
なにせ徒歩でも「数時間」で周りきれる広さですからね!
だからここで何も焦る必要はありません。
何かを考えたり、悩む必要もありません。
落ちてる棒キレでも拾って、歩き出しましょう。
あなたは自由です。
島の中央をススムめば、小さく密集した住宅街が見えます。
こういう島の狭い住宅街を散策するのも新鮮で面白い。
海岸をすすめば、山積みになった貝が・・・・・何だか不思議な光景ですね。
・・・・・そうこうして小さな似島を散策していると、
島の片隅に建てられた「慰霊碑」の数々が目に入ってきます。
原爆投下の直後、
似島に収容された「1万人」にも上る被爆者。
しかし・・・・懸命の介護の甲斐なく、
多くの方々がこの「似島」で最後を迎えたのです。
とても今の平穏な似島からは想像も出来ません。
似島の各地には戦争の跡が至る所に残されており、
観光マップにも大きく記載されています。
・弾薬庫跡
・馬匹検疫所焼却炉跡
戦争関連の跡地は似島の中では目を引く観光スポットになっています。
ただ・・・こういう話をして、
似島の「悲惨なイメージ」ばかりが先行してしまうのは、
私の望む所ではありません。
この原爆被害の話で思い出すのが・・・・・
広島の「とある若者達を中心とした美術展」に行った時の事です。
その芸術作品を順番に眺めていくと・・・・・
最後の方に昔の原爆被害の絵が大量に飾られていたのです。
その絵を見た瞬間、
それまで見た美術作品は頭からスッポリ抜け落ちてしまいました。
もう美術展の主役は
「原爆の恐ろしさ」
「戦争の恐ろしさ」の話になってしまったのです。
学生達の芸術作品はどこへやら・・・・・
あまりに悲惨な絵の数々に涙まで出てきます。
戦争の悲惨さを忘れてはいけない事はわかります。
広島に落ちた原子爆弾が、
多くの人々の肉体を、
その人生を、
一瞬にして蒸発させてしまったのですから・・・・。
しかし・・・それはもう十分過ぎるほど他で語られているハズです。
本、漫画、映画、ドラマ、
広島には原爆ドームも資料館もあります。
せめてその美術展くらいは・・・・
広島で頑張る若者の芸術作品に、
「主役を譲ってあげても良かったのではないか?」
その時、私はそう思いました。
「広島の第二の聖地」と呼ばれる似島でも同じです。
「戦争の跡地」や「悲惨な歴史」にばかり目が行くと、
本来の似島の魅力が隠れてしまう気がするのです。
慰霊碑を後にして・・・・・そのまま何気なく海を見ると、
養殖場がありました。イカダのギシギシという音が心地よい。
似島を歩くと、何気ない所でチョットした発見があります。
道中で廃屋を発見!なんだかワクワクしませんか?
バカにするワケでは無いのですが・・・・
特別なモノが「なにもない」っていうのは本当にありがたい。
これは・・・歳のせいでしょうか?
目玉スポットだらけの観光地に行ってアレも!コレも!と
目移りするのは、私としては疲れてしまう部分もあるのです。
だから・・・・・
ただ「素朴で美しい自然があれば良い」という人であれば、
似島は最高の穴場スポットだと思いますよ。
これからも似島が、何もない平和な島であり続けますように・・・・。
おしまい。
似島までのアクセス情報と写真一覧
広島駅から広島港へは電車にて約30分(車だと20分程度)。また乗船券は船の中で購入することになるので、ターミナル内で購入する必要はありません。
補足:ターミナル内にはトイレ・コインロッカー・ご飯屋さんがあります。もし似島に行かれる際は、ご飯を食べていくまたは持って行くことをおすすめします。
理由は、似島には2,3店の商店(日曜日はだいたい閉まっている)があるだけで、ご飯屋はもちろんコンビニもありません。船便もポンポンあるわけではないのでご注意くださいね。
船に乗ってしまえば、あとはゆっくり待つだけ。だいたい20分くらいで似島に到着しますよ。