お口に優しい『ニュートラルポジション』について解説!出っ歯や口臭、歯ぎしりの原因とは

みなさん、こんにちは。歯科材料メーカーに勤務しているきじ田とらみと申します。

みなさんは、お口のお悩みなどはありますでしょうか?

 

ちなみに私自身の悩みや友人達からの相談事はこんな感じです。

出っ歯だからEラインに憧れる、マスク生活でお口の臭いが気になる、歯ぎしりで酷くて家族から心配されている。

共通点はありましたでしょうか?

今日はそんな悩み事が解決するかもしれない、お口に優しいニュートラルなポジションについて紹介していきます。

 

さて、早速ですが、画面越しに見てくださっているみなさんのお口はどのような状態でしょうか?

 

確かめてみてください。

  •  口は開いていますか? 閉じていますか?
  •  上下の歯は触れていますか? 閉じていますか?
  •  舌は何に触れていますか、前歯?上顎?

いかがだったでしょうか?

それぞれの項目について順番に解説していきますね!

関連記事:オーラルケア入門「ハミガキ編」!好きなものを食べ、愛する人と1日でも長く話すために

 

口は開いていますか?閉じていますか?

正解は「オトガイ(アゴ)が緊張していない状態で閉じる」です。

 

子どもの頃にご両親や先生からこんなことを言われたことはありませんか?   

「お口を閉じなさい!とじないと出っ歯になるよ!」

実はこれは、半分正解です。

 

お口が開いていると、こんなデメリットがあります。

  • 喉が乾燥して鼻呼吸よりもウイルスに感染しやすくなる
  • 出っ歯になりやすい
  • 顔に歪みが生じやすくなる
  • 口が乾きやすくなることによって唾液の自浄作用が減少して虫歯になりやすくなる。また細菌が繁殖し、口臭の原因になる

口が閉じられないの状態を、「口唇閉鎖不全症」といい、立派な疾患として扱われています。

小児歯科では保険治療の対象となっているのです。

 

また、出っ歯なので口を閉じることができない。アレルギーで鼻呼吸ができないので、お口が閉じられない。という他の疾患がある結果、お口が閉じられないパターンも考えられます。

改善する為には、本人の努力だけでなく、アレルギーの治療や歯列矯正があげられますが、唇を閉じるための筋力が不足している場合もあって、専用の器具を使ってトレーニングする方法などもあります。

 

医科と歯科が連携した上で解決するべき疾患なのです。

 

上下の歯は触れていますか?一日のうちに上下の歯が接してもいいのはたったの〇〇分!

正解は、「食事以外の時間はできるだけ触れない」です。

 

実は上下の歯は一日のうちに接していい時間は決まっています。

なんと、一日たったの20ほどなのです。

 

「食事時間を考慮すれば、20分なんて不可能では?」と思われる方も多いかもしれませんね。

実は、食事の時間は、歯の間に食べ物が挟まっているので、実際に上下の歯が触れ合っている時間はとても短いのです。

 

日常的に歯が触れ合っていると、就寝時などに無意識に歯を食いしばってしまう危険性高まります。

こうした食いしばりは、歯を痛めるだけでなく、歯ぐきなどの歯周組織にも負担をかけてしまうのです。

 

これは現役の歯科衛生士さんとお話しをしていて知ったことなのですが、どんなに日頃からしっかりとハミガキをしていても、歯周病が改善しない患者さんがいたそうです。

 

そこで、日常生活をヒアリングしてみると、「食いしばり」が日常的に行われていることが分かりました。

噛み締める行為は、歯を支えている組織に大きな負担を与えてしまうということです。

 

歯周病の発症原因は、細菌だけではありません!

私自身も、パートナーから指摘されて、就寝時の歯ぎしりにとても苦しんでいました。ストレスを解消しようと運動したり、マウスピースを作ったり頑張ってみたのですが、全然おさまりませんでした。

 

そんな時、転職した歯科材料メーカーで、日常生活で上下の歯が触れ合うことが、歯ぎしりにつながることを知りました。

その後、習慣を見直すことによって歯ぎしりの頻度が激減したのです。もし、お悩みの方がいらっしゃれば、是非試してみてくださいね。

 

舌の位置はどこでしょうか?

正解は「舌は上顎に軽く触れるくらいの位置」にあることです。

ちなみに舌が前歯の裏に常についていると、出っ歯になりやすいというお話がありますが、それは本当です。

 

舌の悪癖が、口腔機能に悪影響を及ぼすことは立証されています。姿勢を正すことが内臓の負荷を減らすように、正しいポジションをキープできるようにしましょう。

舌が上顎に触れれる状態をキープできないのは、舌の筋肉が衰えている状態が想定されます。その場合は、筋力不足から、首から顎にかけてもたるんでしまっていることが多いです。舌の筋肉を鍛えることは、お口の観点でも、美容的な観点でもとても大切なことなのです。

 

おすすめなのは、リハビリテーションなどでも実施されている「あいうべ体操」。

口腔機能が衰えてきた高齢者にもムセ、食べこぼし予防として推奨されているのですが、若い方にもとてもおすすめの体操です。(筆者も小顔目的で、祖母と一緒にがんばっています)

 

まとめ:正しいポジション

いかがだったでしょうか?

もう一度正しいニュートラルポジションを復習します。

  • 口はオトガイの緊張がない状態で閉じている
  • 上下の臼歯は食事の時間以外は触れない
  • 舌の位置は軽く上顎に触れる

実は私、子どもの頃はなかなか口が閉じられず、母からよく怒られていました。

 

そんな時、父親からこんなことを教えられていました。

「口を閉じる為には、奥歯を噛み締めるといいよ。お父さんもこれでお口ぽかーんが治ったからね!」

私はその教えをしっかりと守り、奥歯を噛み締めるのが癖になっていました。

 

そんな風に誤った教育を受けていた私は、歯科材料メーカーに入社して歯科の勉強をして衝撃を受けました。

今まで良かれと思ってやっていたことは、間違いだったのか!!!

 

その時、無知は怖いなーと思ったのです。

 

食べることは生きることと直結しています。

正しい知識を学び、お口に優しい習慣を身につけて、人生をより素敵なものにしていきましょう。

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