ワインってかっこいいから飲んでるんじゃないの?ワインの魅力や飲み方を、ワイン初心者がイタリアワインのプロに教わってきた!

ワイン片手に失礼します。ロカフレ編集部のダイソン後藤です。

皆さん、普段ワインは飲みますか?僕はビール党なので、ワインはあんまり飲みません。もちろんワインを飲むこともありますが、そんなに美味しいとは思わないし、目が飛び出るような高い値段のワインを飲んでる人を見ると「ほんとに味わかってんのかな?」と思ってしまいます。

カッコいいから飲んでるんじゃないの?

って思ってる人も少なくないのではないでしょうか?僕は正直そう思っています。

というわけで、本当にワインは美味しいものなのかを知るべく、11年間に渡ってイタリアワインの良さを広める活動をされている「AVI(Amici Vini Italiani Kansai)」の皆さんにお話を伺いに来ました!

レストランにイタリアワインを卸している業務酒販店「エノテカ・ビアンキ」の代表取締役をされている丸谷さん。イタリアの蝶ネクタイがとっても素敵。

 

イタリアワインのコンサルティングやセミナーなどをされている井口さん。大阪にあるイタリア外務省の文化機関でも仕事をしているんだそう。すごい!

 

大阪の本町でイタリアワイン専門のワインバー「ヴィネリア ヴィア ヴィーノ」をやっておられるソムリエの尾畑さん。イタリアワイン界隈での愛称はアントニオ。

 

今回はイタリアワインのプロであるこの三人に、ワイン初心者である僕が飲み方や楽しみ方を教えてもらおうと思います!

※この取材は感染症対策を十分にとった上、風通しの良いビルの屋上にておこなっております。

 

また今回の取材の様子がYouTubeにアップされています。ぜひそちらもご覧ください。

AVIってどんな活動をしているの?

さて、まずはこの三人が所属しているAVIという団体について聞いてみました。

まずAVIってどういう活動をされているんですか?イタリアワインを広めているっていう話はちらっと聞いたんですけど。

 

そうですね。やっぱりイタリアワインの良さをわかってもらうには実際に飲んでもらうのが一番なので、アヴィノフェスタというイベントを毎年開いていました。

 

アヴィノフェスタ……?

 

イタリアワインを少しずつ色んな種類を楽しんでもらおうと、日本中のインポーターさん※にイタリアワインを出展してもらって、お客さんがそれを飲めるっていうイベントですね。

 

※インポーターというのは、輸入業者さんのことで、海外のワイン生産者から仕入れたワインを業務酒販店やレストランに販売しています。

 

へぇ~、楽しそうですね!どれくらいの規模でされているんですか?

 

一回のイベントで、大体1,000人くらいは来ていただいていますね。

 

1,000人!?めちゃめちゃすごい!!

 

大阪の中之島にある、中央公会堂で行われるアヴィノフェスタは、前半と後半を合わせると1,000人もの人を集めるそうです。思っていたより規模が大きくてびっくり!!

 

実は僕は第一回の時はAVIのメンバーではなくて、客として参加させてもらったんですが、そこでもうびっくりしましてね。

 

アヴィノフェスタはそれぞれの回ごとにテーマを決めてイタリアワインを集めるんですけど、第一回はキアンティクラッシコでしたね。

 

いやぁ、あれはすごかったですね!

 

あれで大体なんアイテムくらい集まったっけ?

 

100アイテムくらいかな。

 

キアンティクラッシコだけで100アイテムくらいバーッと並べまして……

 

すみません。キアンティクラッシコっていうのが?

 

ワインの銘柄ですね。

 

まったく話についていけてなかったのですが、キアンティクラッシコというのがイタリアの地名で、そこで造られているワインをキアンティクラッシコと呼ぶそうです。ワインの銘柄は、単にブランドというだけでなく、その産地だったり、使われているブドウの品種だったりが銘柄になることも多いそうで、キアンティクラッシコは産地がワインの銘柄になっているパターン。フランスのブルゴーニュ地方で造られたものをブルゴーニュワインと呼ぶのと同じですね。

第一回のアヴィノフェスタでは、そのキアンティクラッシコだけで100アイテムくらい揃えたのだそう。たしかにそういうテーマがあるお酒のイベントは面白そう!

僕はその光景に圧倒されて、その翌年には参加させてもらうようになりましたね。

 

それもなんかドラマがありますね!

 

ネットショップでワインを販売

2010年から8回に渡って開催されたアヴィノフェスタですが、一旦そのイベントは終了しましたが、AVIの活動自体は継続しているようです。

もともとアヴィノフェスタでは、少しずつ飲んでもらったワインの中から気に入ったものを買っていただけるワインショップも併設していたんですね。

 

エノテカ・デッラ・ロトンダというお店なんですけど、コロナ禍でレストランでワインが提供できないということもありまして、今回ネットショップでワインを販売することになりました。

 

AVIのメンバーがおすすめするワインの6本セットをネットで販売するということを始められたそうです。

【期間限定】Enoteca della Rotonda (stores.jp)

ちなみにこれはPR記事ではないので、ここからワインを購入してもロカフレにお金が入ることは一切ありませんが、ぜひ見てみてください!

ワインの温度って適当でいいの?

ここからが本題の一つなのですが、冒頭でも説明したように僕は普段ワインを飲みません。それどころかワインを飲んでいるのはカッコいいからなんじゃないかとまで思っています。

ということで、今回はエノテカ・デッラ・ロトンダで販売しているセット商品の中から、尾畑さんのおすすめセットをご用意していただきました!

右から順番に軽く紹介していきます。

・セッテンブリーノ/レ バッティステッレ
イタリアを代表する白ワイン ソアヴェクラッシコのスパークリング

・サルタレッリ ブリュット/サルタレッリ
しっかりした香りが特徴的イタリアマルケ州の白のスパークリング

・ラバイア/コルダーニ
冷蔵庫に一本あれば どんなシチュエーションにも合う白の微発泡ワイン

・マジア/コルダーニ
ラバイアと同じワイナリーの赤。大人のコーラのようなイメージで風呂上りにゴクゴクいけちゃう

・ランブルスコ ディ ソルバーラ フォンダトーレ/クレートキアルリ
日本でかなり売れている赤の微発泡。

・ラ モネッラ/ブライダ
普段はかっちりした赤を造る本格派のワイナリーがつくる赤の微発泡ワイン

泡セットみたいな感じですね。

 

そうですね。このセットのワインは温度管理なんて気にしなくても良いやつらばっかりで、冷蔵庫で普通に冷やしてもらったら大丈夫です!

 

お、これはワインに対する評価が少しアップですね。ワインのややこしさの一つに、温度管理とかが難しそうっていうのはあると思います。ちゃんとしたワインセラーが必要だったり、何となく堅苦しいイメージがありますよね。

海外に行くと、「日本は温度に厳しすぎるよね」ってのは良く言われますよね

 

確かに。別にどの温度で飲んでも美味しいのに、って言われますね。

 

テイスティングってなんのためにやるの?

セットの中で、僕が唯一飲んだことのあったランブルスコを飲んでみることになりました。ちなみに日本で良く売れているのは甘口なのですが、イタリアで一般的なのは辛口タイプなのだそうです。楽しみ!!

じゃあちょっと僕がテイスティングしますね。

 

ちなみにテイスティングの時ってグラスを回すじゃないですか?あれって何のためにやるんですか?

 

あれは香りを立ち上げているんです。

 

グラスに注いだ状態ではワインと空気の触れる部分が表面しかありません。ワインを回すことで、空気と触れる面積を増やしてその分香りが立ち上がるのだそう。

ちゃんと意味があったんですね。カッコいいからやってるのかと思ってました。

 

中にはカッコつけながらやっている人もいますけどね。

 

まぁカッコ良いっていうのもそれはそれで大切ですよね。カッコ悪いよりカッコ良い方が絶対にいい。

さて、テイスティングの結果、尾畑さんから問題ないとのお墨付きをいただいたので、さっそく飲んでみます!

 

おすすめのワインを飲んでみよう

さっそく習ったばっかりの香りの立たせ方を実践してみます。

あ~これは美味しい!確かに前に飲んだ甘口のものより後味がスッキリして爽やかですね!

 

どうやらワインは一口ではいかないみたいです。

ビールはのど越しが大切ですけど、ワインは口の中での味わいの変化を楽しんでもらいたいので、舌の上で転がしてみてください。

 

あと、このワインはフレッシュフルーツの香りがすごくあると思うので、次はそのあたりを念頭に置いて飲んでいただけたら。

 

よし、次はじっくり味わってみよう。

プロのソムリエである尾畑さんに、こんなところに気を付けて飲んでみて。こういう香りがあるよ。ということを解説してもらいながら飲むと、確かにそういう味がするし、香りを感じることができるんですよね。

そもそもワイン自体が美味しいワインを選んでくれてるっていうのもあるとは思うんですけど、味や香りに関わらず自分のわからないものって何でもぼやけるじゃないですか?

それが知識を入れたり経験をしたりすることで輪郭がはっきりしてくることって、誰しも体験したことがあるのではないでしょうか。ワインはそれをすごく感じました。

このワインは余韻がさっぱりしているので、塩味の合う食べ物によく合いますよ。

 

ワインの良さはお食事を引き立てるところにもありますし、ぜひお食事と一緒に楽しんでもらいたいですね。

 

今日はワインに合うようなお食事もご用意しています。

 

至れり尽くせりが過ぎる……。

 

料理も感染症対策で個別に取り分けていただきました

 

東京の、とあるワインバーがワインに合うように、といって作られているバケットを今回は特別にご用意しました。

 

お~すごい!確かにバケットとワインの組み合わせはなんとなくイメージにありますね。

 

それから、ワインはそんなに堅ッ苦しいものじゃないんだよ、ということを知っていただきたいので、ここに来る途中にあったホルモン屋さんでぷらっとホルモン焼きを買ってきました。

 

それは嬉しい!ホルモン焼きなんてビールが欲しくほしくなる料理の代表格ですが、大好物です。

さっそくバケットからいただきます。

ワインって、料理が口の中にある状態で飲んじゃっていいんですか?

 

いっちゃってください。

 

美味しい!油と合う感じもめっちゃわかります!口の中がすごくさっぱりする。

 

そうなんですよね。

 

なんかこれ食べたらビールが欲しくなる、みたいなのあるじゃないですか?

 

ありますね。

 

僕、バケットを食べたらワインが欲しくなる体になってしまったかもしれないです。

 

ペアリングなんて言葉もありますが、ほんとにバケットとワインの食べ合わせは間違いありません。特に皆さんがおすすめするようにオリーブオイルをたっぷりかけて食べるともう最高!

ぜひホルモンも食べてみてください。これもまたワインに合うと思いますよ。

 

見た目は完全にビールが飲みたくなるやつでしたけど、ホルモン焼きとワインも合う!

 

ビールとはまた違った流し方をしてくれますよね。

 

確かに!ビールほどゴクゴク飲まなくても、サッと飲むだけでビールを飲んだ時と同じくらいの食後感というか満足感がありますね。

 

やっぱり存在感が違いますよね。

 

本当に軽く口に含んで、舌の上で転がしていると口の中がさっぱりします!ビールとは完全に違う飲み方で、同じようにホルモン焼きのような食べ物を楽しめるというのは僕の中で衝撃でした。

このあたりから、ワインを飲むのって楽しいな、って感じてきています。やっぱり何も知らずに適当に飲むのと、プロにレクチャーしてもらうのは全然違って、この時も井口さんから、「ホルモンはしっかり噛んでからワインを飲んでみてください。」とかアドバイスがあって、それ通りにワインを飲んでみるとやっぱり美味しく感じるんですよね。

僕も含めてワインを苦手な人って、安いワインを適当に飲んでたから苦手意識がついちゃってるのかもしれません。

ワインの魅力は食卓を豊かにすること

ワインの楽しみ方が何となくわかってきたところで、皆さんからワインの魅力を伺ってみました。

ワインの背景には必ず文化があるんですね。そういうものを知っていけばいくほどワインの味わいも変わってくる。そこがワインの最大の魅力かなと思っています。

 

僕がワインについて全く何も知らない状態で飲んだのと、レクチャーされながら飲んだのとでは味や香りの感じ方が変わったのと同じで、やっぱりそのワインについて知れば知るほど美味しく感じるというのはあると思います。子どもの頃に、自分の作った野菜だったり、自分で釣った魚だったりがいつもより美味しく感じた、という経験ってありますよね?同じ食べものでも、その食材に対する思いによって味が変わるというのは本当にそうなんだろうなぁ。

僕はイタリアワインの生産者さんと関わる中で、彼らの人としての魅力からどんどんワインにはまっていったタイプなんですね。イタリアワインを知れば必ずイタリアワインやイタリアそのものが好きになると思いますね。

 

井口さんも同じように、そのワインの背景に魅力があると考えておられるようです。

井口さんと尾畑さんがイタリアの生産者さんの一家と撮った写真。本当に家族ぐるみの付き合いをされているのだそうです。それにしても良い写真だな……。

僕はワインは食卓を豊かにするアイテムやと常々思っているんですよね。ワインを一本みんなで飲んでる間に会話が弾んで食事に楽しみをくれるっていうのが魅力かなぁと。

 

確かに!今がまさにそうですもんね。

 

取材中に、関係のない話もワイワイ喋りながらワインを飲んでいたら、あっという間に一本目のワインが空いていました。取材開始当初は少し緊張感もありましたが、ワインを飲み始めてからは和気あいあいとした雰囲気で本当に楽しくなってきたんですよね。

ワインをみんなで一本飲んでいる間に食卓が豊かになる。楽しくなる。というのは本当にその通りだと思いました。

 

まとめ

今回の取材がとても楽しかったこともあって、僕はすっかりワインが好きになってしまいました。とは言え、やっぱりビールやハイボールも大好きだし、感覚としてはこれから選択肢の一つにワインも入ってくるかな、というくらいです。

話を伺っているとかなりの沼みたいなので、いつか僕が沼に沈んでいたら引き上げてください。

それから、今回特に強く感じたのは、ワインは教えてもらいながら飲むとより美味しく感じるということです。だからワインバーとかにも行ってみたいなと思いました。

皆さんもいきなりワインバーに行くのは敷居が高いと思うのですが、コンビニなんかで売ってる安いワインを飲んで、「なんだワインって渋いだけだな」と思うのではなく、ぜひ一度美味しいワインを飲んでみてもらいたいです。AVIのメンバーが運営されているネットショップ「エノテカ・デッラ・ロトンダ」では、プロのおすすめするワインが、飲み方やシチュエーションなんかの解説と一緒に販売されているので、ぜひお試しください。

【期間限定】Enoteca della Rotonda (stores.jp)

(前編 おわり)

 

コロナについて話した後編はこちらから↓

【酒類提供一切禁止】ソムリエ、業務酒販店、ワインコンサルティング、お酒に携わる人たちは緊急事態宣言に何を思うのか【コロナ】 | ロカフレ (locafra.com)

 

※この取材の様子はYouTubeにもアップされていますので、ぜひご覧ください。

 

取材協力:AVI(https://avikansai.exblog.jp/

関連記事

  1. 【地方移住】田舎暮らしってどうなの?本音を現地の人たち10人に聞いてきた!

  2. 「団地の子と遊んではいけない」閉鎖的な田舎の闇

  3. 私は一ヶ月後、この牛を殺します。〜私がヴィーガンにならないと決めるまで〜

  4. いい水と女を手に入れるたったひとつの方法

  5. 移住者が答える!沖縄移住に関する噂への真偽。冬は普通に寒いですよ

  6. 沖縄文化が面白い!? 沖縄の女子大生に密着取材した話

  7. 石垣島のワークライフバランスが最高って本当?実際に住んでいる9人に聞いてみた!