こんちは。映画好きライターの高橋です。
今回は映画ではなく、ドラマ「凪のお暇」という作品の考察となります。
凪のお暇という金曜ドラマがですね、TBSでやっていたわけですが、最近VODで見たんですよ。
なので結構前の作品です(最終話2019/9/20)。
後にあらすじを紹介するので、ここでは物語の説明を端折りますが、最後に主人公が好きであった男性二人を、”両方とも振る”という展開があり、何とも現代的で面白かったです。
そのシーンの考察、「なぜ主人公は元々好きだった二人を振ったのか」を、自分なりの考えをまとめて書いていきます。
目次
軽いあらすじを紹介
大島凪は、節約が趣味の28歳のOL。
空気を読みすぎて、職場だけでなく私生活でも疲れているような女の子だ。
そんな凪は社内恋愛をしており、相手は同じ会社の営業部のエースの我聞慎二だったのだが、ある日慎二が同僚に「凪との結婚は考えていない」と話しているのを聞いてしまい、ショックを受ける。
その後、凪は「人間関係を断ち切る」という決意をし、会社をやめ家財なども全て処分し、都心から郊外に引っ越し心機一転、ゼロから新しい生活を始める決意をした。
引越し先の安いアパートの隣に住んでいたのが、安良城ゴン。
ベランダでゴーヤを育てていた不思議な雰囲気のゴンに凪は興味を持ち、二人の距離は段々と近づきやがて恋愛関係になる…。
慎二とゴンは、正反対のタイプ。
エリート営業マンで誰からも好かれる慎二と、自由気ままに生きているゴン。
では凪は、それぞれのどんな部分に惹かれたのか、詳しく分析していきましょう。
慎二に惹かれた理由
ズバリ凪はエリート社員の慎二を射止めること(結婚すること)で、周囲の人に羨ましがられることを望んでいたのではないでしょうか。
だから慎二と結婚できるのなら、どんなことも我慢できたし身も心も尽くすことができたのだと思います。
それと同時にエリート社員と結婚することで、親を喜ばせることができると思っていた可能性もあります。
自分に自信を持てなかった凪は、慎二とゴールインすることでしかステータスをあげる方法がないと思っていたのでしょう。
ゴンに惹かれた理由
ゴンは、一緒にいる女の子が幸せそうにしているのを見るのが好きな幼稚な男性です。
しかし凪は、慎二とはまるで正反対のゴンに少しずつ惹かれてしまうんですよね、これが。
何もかも嫌になって逃げ出した凪に、ゴンは優しく接してくれます。
これがきっかけだったのは間違いない。
しかしゴンの優しさは凪だけではなく、他の女性に対しても同じだと知り、次第に凪の心は離れていくことになります。
その後、引越し先で色々な人と触れ合っていくうちに、凪は人にはそれぞれ表面の顔と裏の顔があることに気づくんですよね。
ただ肝心の恋人の内面には、気づけずにいたのでしょう。
そして、その根本的な原因は、自分の本当の心と向き合っていなかったからでした。凪はその理由を知っていたのです。
幼い頃から母の顔色を見て、言いたいことが言えずに育っていた環境と自分の心の弱さが原因。
だからある日、母親に「あなたの期待には答えられない」と言い放ち、背を向けます。
それと同時に、弱かった過去の自分とも決別したのでしょう。
この時点で凪は昔よりもひときわ大きく成長していたし、自分の本心で生きることの大切さを身にしみて感じていました。
その後住んでいた古いアパートが取り壊されることが決まり、凪はお暇を卒業しようと心に決めて、慎二とゴンの二人と正面から向き合います。
慎二は、強がっていたけれど、本当は凪が大好きだった。そのことを知っても凪の心は動きませんでした。
またゴンも、凪にとってただの通過点になるのは寂しいと思うようになり、他の女の子との関係をすべて清算して凪に告白をします。
この結果、凪の心は揺れましたが、それでも一人で生きていく決心しましたよね。
その理由は何なのでしょうか。(やっと本題…)
なぜ凪は慎二もゴンも選ばなかったのか
凪が慎二のこともゴンのことも選ばなかったのは、凪の心が成長した証だと考えられます。
心が成長すると、一緒にいて心地が良いと感じる相手も変わってきますよね。たぶん。
だから、自分の心の葛藤に折り合いを付け、やっと未来を見つめることが出来るようになった凪には、恋人よりももっと魅力的なものがあったのではないでしょうか。
ここら辺がとても現代的なわけです。
よく見る男性と結ばれる結末だけがハッピーエンドじゃねーんだよ!的な思いが溢れ出ていますよね。
近年、こういった物語の展開は急速に広まっており、映画でもよく見ます。
これはこれで面白いわけですが、物語の展開があるとしたらどうなるんでしょうね。
私的には、成長した二人に再度出会い、どちらか一方とくっつくのも見てみたいところではありますが…。
という感じで今回はおわり。