オモロ川だいすけという路上ギャグ師に一日密着した話

どうも、みなさんはじめまして、ニシキドアヤトと申します。

朝7:00の京阪京橋駅から、とびきりの眠たそうな顔で失礼します。

 

普段、僕は「ニシキドアヤトのブログ」というブログで、おしっこを漏らしたりしているんですが、つい最近8年間の社会人生活にピリオドを打ち、只今絶賛ニート生活を満喫中です。

なんでそんな失禁ニート野郎がこんな朝早くに京橋駅にいるかといいますと、この「ロカフレ」の編集長、やましゅーさんに呼出されたからであります。

 

「ロカフレ」編集長のやましゅーさん。いつもニヤけていて、真顔が出来ない。

 

「おはようございます、ニシキドさん 」
「おはようございます、じゃないですよ。なんなんですか、こんな朝早くから。ニートに早起きさせないでくださいよ」 
「今日はある人に一日密着取材してもらう為に来てもらったんです」
「めちゃくちゃ早起きさせられた挙句、一日拘束とか、こんな酷い仕打ちありえる?早く切り上げて、スタバで仕事にイヤイヤ顔で出勤していくサラリーマンを見ながら、キャラメルスチーマー飲みたいんですけど・・・」
社会のゴミが。 あ!そうこうしているうちに、来ましたよ!」
「ねぇ?聞こえたよ?」
 
 

 

「またすっげぇのが来たなオイ」
「 路上ギャグ師の、オモロ川だいすけさんです! 」
「はじめまして、本日はよろしくお願いします」
「路上ギャグ師?」
「道行く人々に、ギャグをさせてもらっています」
「???」
「見てもらったほうが早いですね」
「 そうですね!」
「それでは、いきます・・・」
 
 

ウヒョーーーーーー!!!☆

 

 

 

 

 

はい!ギャグギャグ~!!ギャグギャグ~!!!

いまから~!ギャグをするのは!オモロ川!ウヒョ☆

スリー、ツー、ワン!!

 

ひらがなの「と」からはじまるギャグです。

 

となりのトットロ~♪

 

の、となりにトロロ!!!☆

 

はい!ギャグギャグ~!!ギャグギャグ~!!!

「と」でした!☆

はっちゃけもっちゃけ☆

 

 

 

 

 

「終わりました」

 

 

「じゃ、お疲れさまでした」

 

「ちょっと!待ってくださいよ!」
「うるさい!なんでこんな人通りの多いところで全力のスベリギャグを見せられないといけないんですか!完全に公開処刑じゃねぇか!」
「 ダメですよ!路上ギャグ師に一日密着記事っていうことでもう決まってるんですから!」

 

動画でみてもらったほうが早いんで、とりあえず22秒下さい。

 

「なんかめっちゃこっち見てるし」

 

 

「モンスターエナジー飲んでるし」

 

 

 

「 まぁ、そうカッカしないでください」
「うるせぇ」

 

そもそもオモロ川だいすけって何者?

オモロ川だいすけ(おもろがわだいすけ)

路上ギャグ師。32歳。

吉本興業に5年間所属していたが、現在はフリーの芸人。芸歴は7年目。

主に大阪の京橋駅や難波駅、梅田駅、天王寺駅に出没し、路上ギャグを披露している。

 

「 いつもこの時間に活動しているんですか?」
「 そうですね!日によってまばらなんですが、毎朝7:30~9:30まで、そのあとは13:00~15:00まで、最後に21:00~23:00くらいまで、場所を変えながらやってます」
「 ストイックが過ぎるでしょうよ。ちなみに、週に何日くらい・・・?」
「 週5ですね」
「えっ」
週5日やってます」

 

「週5かぁ〜・・」

 

とりあえず活動を見守ってみる

いつまで文句を言っても仕方がないので、とりあえずオモロ川さんの活動を見守ってみることに。

僕はまだ1つしかオモロ川さんのギャグを見ていないので、未だ彼のポテンシャルは未知数。

能ある鷹は爪を隠す。芸人であるオモロ川さんもまた然りで、実はとんでもない鉄板ネタを隠し持っているに違いありません。

 

ギャグを披露するため、道行く人々へ呼び込みを行うオモロ川さん。

 

 

 

「ご通行中のみなさん、よかったら私のギャグ、見ていきませんか~?」

 

 

 

「最近、元気がないなぁ~、と思っているあなた。私のギャグを見たら一瞬で元気が出ますよ~。良かったらギャグ、見ていきませんか~?」

 

 

 

「30秒で絶対に笑わせて、朝から元気を出させます。朝から元気が出るとどうでしょう。そう!仕事がうまくいきます!仕事がうまくいくと出世します~!よかったらギャグ、見ていきませんか~?」

 

言いたい放題かよ

 

とはいえ、やはりこの時間帯は通勤ラッシュで、一日の中で人が一番急いでいる時間帯と行っても過言ではありません。

そんな忙しい時に、頭にうんこを乗せた、いかにも怪しい人の為に足を止めてくれる人は中々現れません。

こんな状況で通行人の足を止められるのは、大阪の芸人では間寛平さんくらいでしょう。

 

それにしても寒い・・・。

早朝の京橋駅は冷える・・・。

いつもこたつでぐうたらしているニートにこれは辛すぎる・・・!

 

あ!!!

 

愚痴をこぼしながら経費で買ってもらった、あったか~いカフェオレを飲んでいる間に、オモロ川さんが少年グループの呼び込みに成功している~!!

しかも数人がスマホで動画を撮ろうとしている!!

 

少年グループというのは、撮った面白い動画をすぐSNSにあげたがる症候群の確率が80%超(※ロカフレ調べ)なので、これは気合を入れるしかない!

早くも隠された爪を出す時がきたのか!?

 

少年「俺はお笑いに厳しい!厳しいで!!」

 

「確かに、これくらいの年代が一番バラエティとか見てそうだし、お笑いには厳しそう!オモロ川さん!やったって下さい!」
「それではいきます・・・」
 
 
 

ウヒョーーーーーー!!!☆

 

???

 

はい!ギャグギャグ~!!ギャグギャグ~!!!

いまから~!ギャグをするのは!オモロ川!ウヒョ☆

スリー、ツー、ワン!!

 

「この最初の儀式はなんなんだ」

 

となりのトットロ~♪

の、となりにトロロ!!☆

 

「早くもネタを被らせてんじゃねぇか」

 

ぎゃはははーーー!!!

 

「そして全然お笑いに厳しくないじゃねぇか」

 

早速、撮影した動画をチェックする少年グループ。

傍から見ると、ポケモンGOでレアポケモンを捕まえた集団みたいです。

 

「面白かったです!頑張ってください!」

 

と、言葉を残し去っていく少年達。良い子だ~!

 

「実は僕もスベリ芸には弱いんですよね。本人は渾身のギャグを放っているのに全くウケないというギャップと、思い切りスベった後に訪れる一瞬の静寂が笑いを呼ぶ感じが好きです」
「褒めてるんですよね?」

 

9:00くらいになると、通勤ラッシュも落ち着き、通行量もまばらに。

オモロ川さんいわく、このあたりから徐々に立ち止まってくれる人が増えてくるとのこと。

 

 

 

確かに、どんどんお客さんが寄ってきている!

中には、オモロ川さんのファンらしき人たちもいて、差し入れをもらったりもしていました。なんか、いいな~こういうの。

 

あと、オモロ川さんがどういうネタをしているのかっていうのは、最後に彼のYouTubeリンクを貼っているので、そこからご覧いただければと思います。

 

そして、おもむろに隣で始まった「自殺防止キャンペーン」。

どう見てもオモロ川さんがイメージキャラクターみたいになっていて面白かったです。

 

朝の部が終了

朝の部が終了し、後片付けを行うオモロ川さん。

パフォーマンス中は集金用の大きいザルを設置しているんですが、果たして今朝の収穫は・・・?

 

 

「嘘だと言ってよ」
「朝はみなさん忙しいので、こんなもんです」
 
 
 

次の時間までは、いつもファミレスやカフェで休憩しながらネタ作りをしているそうで、同行させてもらうことに。

梅田へ向かいます。

 

向かいのホームで手を振る人に答えるオモロ川さん。

サービス精神に溢れてます。

 

「いやぁ~、面白い恰好やわ~!!」とおばさまに褒められまくるオモロ川さん。

「あんた売れるでぇ~!頑張ってや~!!」

 

「ありがとうございます!ギャグ見ますか?」

 

「いや、それは大丈夫です」

 

「・・・」

 

 

いつの間にか、一緒に歩いている僕も他人からの視線が一切気にならなくなりました。

芸人の色んな裏話が聞けてニヤけまくる僕。

 

梅田に着いたら近くのファミレスへ。

 

 

「あれ、ウンコとるんですね」
「以前、店長さんに飲食店にそぐわない帽子は外せと言われて・・・」
「笑う」

 

衣装も脱ぎ、完全にオフモードのオモロ川さん。

この時だけは、芸人としての電源を切っているらしい。

 

僕も記事の構成を考えたり、撮影した写真のチェックを行います。

 

「ニシキドさん、ニシキドさん」
「?」
「新しいギャグ考えたんですけど、どうですかね?」
「お願いします」
「アーイアイ♪アーイアイ♪(アイアイのリズムで) ブルブルブルブルアイアイ♪ブルベリアイ♪(ブルーベリーアイのCMのリズムで)」

 

 

 

 

「どうですかね?」

 

 

 

 

 

 

昼の部へ

インターバルも終え、次のパフォーマンス場へ向かいます。

この時には、もうお互いプライベート的な事などを語り合うくらいの仲になってました。

 

 

 

「あ、今朝は出していなかった看板ですね。なんて書いてあるんですか?」

 

 

どストレートが過ぎるだろ」
「でも、この時間からは見てくれる人もすごく多くなるんですよ」

 

 

 

確かに、朝とは比べ物にならないくらいの盛況っぷり!

 

中にはお金を入れてくれる人も!

 

「すごい、昼は大盛況ですね!思うに、こういうストリートパフォーマンスって、得体が知れないから立ち止まる側にもなかなか勇気がいるんですよね。でも、一人が立ち止まるだけでそういったハードルが一気に下がるから、連鎖反応的にお客さんが増えていくんだと思います。そういった事を踏まえて、横断歩道の近くでパフォーマンスをしているのも理にかなってますよね」
(よく喋るなぁ・・・)

 

お客さんが途切れることもなく、昼の部の終了時間(15時)が近づいてきた頃、急に雨が降ってきたので、昼の部は終了。

気になる金額ですが、生々しいのでやめておきます。

 

「片付けも終えて、ちょうど15時くらいですね。この後はどうしますか?」
「21時からなんばでギャグをする予定なので、それまではまたカフェとかに入って休憩しながらネタを考えます」
「とりあえず近場でよさげなところを探して入りましょうか」

 

休憩に向かう一行にハプニング発生

「とりあえずさっきのファミレスに向かいますか?」
「そうですね!」

 

???「あの~すみません~」

 

「? はい」

 

 

「私達、TBS系全国ネットの『サタデープラス』という番組の取材スタッフなんですが・・・」
「!?」
(おお!凄い!インタビュー内容によってはギャグも披露できるし、なにより全国ネット!これはチャンスなのでは!)
「ちなみに、どんなインタビュー内容なんですか?」
「大阪の食文化についてです」
頭にウンコ乗せたやつにするインタビュー内容じゃないでしょ」
「なんで頭にウンコ乗せてるんですか?なにかのコスプレですか?」
「私は路上ギャグ師です」
「路上ギャグ師?」
「見てもらったほうが早いんじゃないですか?」
「そうですね!」
 
 

ウヒョーーー!!!☆

はい!ギャグギャグ~!!ギャグギャグ~!!!

いまから~!ギャグをするのは!オモロ川!ウヒョ☆

スリー、ツー、ワン!!

 

 

サバ缶の中身はカ~ニバル♪

サバ缶の中身はカ~ニバル♪

サバ缶の中身はカ~ニバル♪

サバ缶捨てて~♪

・・・・・・・

 

 

カ~ニバ~ル♪

はい!ギャグギャグ~!!ギャグギャグ~!!!

はっちゃけもっちゃけ☆

 

「終わりました」
「びっくりするかもしれませんが、これで終わりなんです」

 

 

 

「なるほど」

 

(死ぬほど死んだ目してる)

 

その後、「そういうのはいいんで」と、普通に街角インタビューを受けるオモロ川さんを見てニヤケ顔が止まらない、屑な僕。

もちろん番組には使用されませんでした。

 

本日2度目の休憩

さっきのファミレスがめちゃくちゃ混んでいたので、向かいのケンタッキーへ。

21時からの路上ギャグにはスケジュールと終電的に同行できないので、今日あったことなどをまとめていきます。

 

「ニシキドさん、ニシキドさん」
「?」
「新しいギャグ考えたんですけど、どうですかね?」
「お願いします」
 
 

「納豆・・・納豆・・・」

 

「納豆・・・」

 

「うまい・・・うまい・・・」

 

「納豆・・・」

 

「うまい・・・!」

 

 

 

「どうですかね?」

 

 

 

 

 

 

そもそもなぜ芸人に?オモロ川だいすけの知られざる過去

「めちゃくちゃ今更なんですけど、オモロ川さんって、なんで芸人になろうと思ったんですか?」
「マジで今更ですね。ちょっと重い話になっちゃうんですけど、僕って子供の頃イジメにあっていたんですよ。でも、やられっぱなしは嫌だったんで、ボクシングジムに入会して、イジメてきた奴らを見返してやろうって思ってたんですよね。それでボクシングをやっているうちに、どんどんのめり込んでいったんです。学生の頃は成績も結構良かったんですよ」
「なるほど」
「そのうちイジメもなくなりましたが、ボクシングをしている強い自分には、もう怖いものはないなと・・・」
イキっちゃったんですか」
イキっちゃいまいしたね。その後、高卒でペットフードの会社で1年働いて、もずくを作る会社に転職して働いてました。その間もボクシングを続けていたんですが・・・」
「ですが・・・?」 
「イキっていた僕を避けていたのか、会社では仲の良い人はできず、空いた時間のほとんどを費やしていたボクシングもあまり結果が出なくて、次第にいろいろと余裕が無くなっていったんですよ」
「めちゃくちゃよく分かるなぁ・・・」
「それで勤めて3年目で、ついにうつを発症しちゃって、会社もボクシングもやめちゃったんですよ」
「そこからなんで芸人に?」
「家で療養していたんですが、弟が借りてきていたお笑いのDVDを観るのが唯一の楽しみで。それから自分もお笑いをやりたいな、と思うまではあまり時間はかからなかったですね。元気になってから大阪へ来てNSC(吉本興業の養成所)に入って芸人になりました。」

 

オモロ川だいすけさんが語る「夢」

「今日は本当にありがとうございました。最後にオモロ川だいすけさんの、芸人としての夢をお聞きしたいです。」
「僕のこの衣装って全部ドンキホーテで揃えているんですけど、いつか『オモロ川だいすけセット』として販売してほしいですね」
「ちょっとありえそう」
「あとは、路上ギャグを通じていろいろな人に笑顔になってもらって有名になり、情熱大陸に出たいです」
「情熱大陸を夢見る人は多いなぁ。頑張ってください!応援してます!本日はありがとうございました!」

 

 

「こちらこそありがとうございました!僕も衣装を着て、夜の部に向かいます!」

 

 

パラ・・・

 

 

 

「あれ、オモロ川さん、なにか落ちましたよ? なんだこれ、紙?」

 

 

 

 

「残念、はずれですね」
「死にてぇのか」

 

最後に

さて、いかがだったでしょうか。

今回は『笑いの聖地』大阪で、孤軍奮闘する一人の路上ギャグ師のお話でした。

 

 

「ただ、人を笑顔にしたい」という、単純だけど非常に真っすぐな、本当に真っすぐな思いで活動をされているんだなと、一日密着していて感じました。

 

※真顔のツーショットを撮るって言ってるのにひたすら笑わせてくる。

 

お笑いの世界というのは、僕のような素人目から見ても、非常に厳しいものだと思います。

オモロ川だいすけさんには、そんな荒波にも負けず、いつか『大阪の大物お笑い芸人』という大きな大きな看板を背負って欲しいと願います。

 

「あ、僕7月から東京に行きます。

 

 

さようなら。

ニシキドアヤトでした。

 

オモロ川だいすけさんのYouTube → だいすけオモロ川

オモロ川だいすけさんのTwitter → @omrogawa

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